俺の愛しいキキーモラ7【ヴィクトル・ニキフォロフ】～世界フィギュア選手権～ (ページ2)

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下腹部　⑥ ページ2

勇利も寝てしまい、妙に目が冴えてしまったヴィクトルは海咲の髪を梳きながら良い匂いだと目を細める。

ずっと、欲しかった海咲の全て。
日本人らしい綺麗な黒髪黒目も、
ふわふわとした女の子らしい肉付きの肢体も、
ころころと変わる表情も、
何よりも欲しかったのは海咲が注いでくれる愛情。

始めは博愛でも隣人愛でも良いと思っていた。
自分が一方的に懐いただけという自覚があったから。

だけど、次第にそれだけじゃ足りなくて。
気づいた時には恋に落ちていた・・・・嘘だ、一目惚れしてそれが愛に変わっただけ。
でも、自分が抱いた愛はとても醜くてドロドロとしていて凶悪なものだった。
海咲の様に煌いていて優しくて暖かいものじゃなかった。

「どうしたら、海咲の様に俺もなれる？
このまま、海咲と俺だけで世界が完結すればいいのに」

ずっと二人だけで居られればいいのに。
そう呟きながらそっと海咲の下腹部に触れる。
ふわふわしていて、自分の硬いそれとは違って不安になる位不確かな感触。
此処に、子どもを宿す秘密の部屋があるなんて、なんて女の子の体は不思議なんだろうと思う。
自分が決めたとはいえ、早く貪らせろと慟哭する心の声に耳を塞いで、理性で押さえつける。

体力があっても、体は自分が少しでも力を籠めるだけですぐに赤く跡が付く程なるほど脆い。
抱き締めるだけで柔らかに反る体は、受け流す事で折れぬ強さであって、硬くなって跳ね返す自分の体とは違う。

「それでも、欲しかったんだ」

この、柔らかいからこそ子を宿すのかと思うと、嬉しくて堪らない。
でも、海咲はきっと、鍛えた腹でも『子ども出来るし！ヴィー失礼！！』と言いそうだとくすくすと笑った。