2 side s ページ2
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「はあーっ疲れたっ」
1人寂しく家に帰る。
こういう時家族の「おかえり」があるのはありがたいけど、寂しくっていうのはそういう事じゃない。
Aさんは彼氏の元へ行ききっと今頃イチャイチャと過ごしているのだろう。
…考えるだけで涙が出そうになる。
「はあ〜寂し、」
何度となくため息をついて、ベッドに着ていた服のまま寝転がる。
今日長かったな、休憩できたの移動中くらいだったし。
お風呂入って、スキンケアしないと、でも重い腰が上がらない。
ああー、だの、うーん、だの
言葉にならない声を上げて、真上の照明をボーッと見上げる。
するといきなり、ベッドの下に投げ出していた鞄の中のスマホが短く震えた。
Aさんかもっ、と勢いよく起き上がって確認すると
…
「ニカかよっ」
千賀のフリ動画消しちゃったから送って
なんて無愛想なLINEが来ていた。
なんならスマホの画面に表示されている二階堂高嗣の高嗣という名前にもムッとしてしまう。
スマホを枕の方に投げて、またそのままベッドに寝転がる。
ていうかなんで俺がせっかく作ったフリ動画消してんだよ。
あームカつく。
なんて、二階堂はそんなに悪くない事にもイライラしてしまう。
いや、完全にとばっちり、ニカごめん。
すると再度スマホが震えた。
どうせまた動画の催促だろう、とスマホを手に取ると画面には『Aさん♡』と俺が勝手に名前を変えて登録した彼女の名前。
「えっ、あっ、既読つけちゃった」
咄嗟にLINEを開いてしまい
既読つけるの早すぎてキモいかな、なんて思いながらメッセージを読む。
『キスブサ めっちゃ評判いいですよ!
エゴサしてみてください(^^)』
…
はあ、好き。
じゃなくて。
そっか今日は放送日か、
「ありがとうございます、見てみます。
Aさんは彼氏さんと観たんで、す、か、」
はたから見たらいい担当タレントでしょ?
でも、こーやって質問を送る事で彼氏から彼女の時間を少しでも奪えたらいいなんていう俺の浅はかな考え。
すると1分もしないうちに返信が来る。
『1人で観てましたよー、普通に自分の家で。』
…ふーん、
そうか、そうなのか
気づいたら俺は重い腰なんてどこへ
横になっていた体を起こして、返事をにやにやしながら考えるのだった。
今なら二階堂にフリ動画も送ってやろうという気にもなる。
Aさんへの返信をする前に
『ねえ、動画』とだけ相変わらず無愛想な催促の二階堂のLINEにも
「はい♡」と快く送ってやる。
『気持ちわるー』とだけ二階堂からは返ってきたのだった。
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作者名:soda | 作成日時:2020年6月12日 0時