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「…横尾さん、着きましたよ」


意外にも眠りは浅く、Aちゃんの声で起きる
きょろきょろと窓越しにいつものマンションが見えた。

時計を見るといつも30分くらいで着くのに1時間以上かかっていて、俺が寝たあとも渋滞だったことが読み取れた。


「ありがと、ごめん、めっちゃ寝てたね俺」

「いえいえ、いびきかいて気持ちよさそうでしたから」

「嘘っマジ?」

「嘘です」


Aちゃんは意地悪な顔をして笑った。

なんだよーと彼女のほっぺを軽くつまむと、「いたいいたい」と笑うので俺も頬が緩む。
あーなんか、ようやくほんとに緊張の糸が緩んだ。


「じゃあ、ゆっくり休んでください」

「えっ、家来ないの?!」

「明日もあるんだから休んでくださいよ」


Aちゃんはそう言うと、困ったように笑った。

完全に家に来るものだと思っていたのでかなり肩すかし。このコンサートが終わったあとの寂しさというか、余韻を共有したかったのになあ。

「Aちゃんは、一緒に居たくない?」

そう少し寂しそうに言うと
んー、とちょっと悩んだ。

「パピーたちも会いたがってるよ?」

ダメ押しの一撃。
犬の事を言えばAちゃんは「少しだけですよ?」なんて、すこしうきうきした顔になった。






「わーパピー久しぶり〜!テトも元気?」

家に上がると、うちの子達に駆け寄るAちゃん。
すりすりと頬擦りする姿に、すこし羨ましいなんて思ってしまう。
冷蔵庫からビールをちらつかせて、

「Aちゃんなんか飲む?」

「いや私車ですよ!」

「じゃあ俺のもーっと」

目の前で乾いた喉にビールを流し込むと
Aちゃんは羨ましそうに唇を噛み締める。
「んっま」なんてにやにや笑うと、Aちゃんはゆっくり近づいて無言で俺が持っていた缶を奪うと、結局、口をつけるのだった。


「やったー、帰れないね」

「まだ電車はありますから」

そんな、思ってもないような事を言うAちゃん。
「帰らないくせに」とキスをしたら、
Aちゃんも笑って、唇で押し返した。



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ , 横尾渉   
作品ジャンル:タレント
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soda(プロフ) - れんじさん» わあーありがとうございます!!もっとキュンキュンできるようがんばります!!! (2020年4月30日 7時) (レス) id: 058fb893a4 (このIDを非表示/違反報告)
れんじ - めちゃめちゃ好きですキュンキュンします (2020年4月30日 1時) (レス) id: 687054fca2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:soda | 作成日時:2020年4月12日 23時

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