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「そろそろ、出る?」


Aちゃんの方に荷物を持って移動してしゃがみこむ。

するとAちゃんは畳を擦って俺の方に寄ってきた。


ん、んん?近い。

あまり、意識しない様に明後日の方向を向いて会話を試みる。


「Aちゃん?眠い?」

「はい、ちょっと肩、貸してください」


すると、ぽすっと俺の肩にAちゃんの頭が軽く乗る。
いやいやいや、なんだこれは。

こんなん、どきどきしてしまうでしょ。

Aちゃんの顔を見ることができず俺は真っ直ぐ部屋の片隅にある間接照明を凝視して固まる。


「横尾さん」

「ん?何?」

平静を装って、普段の様に返事をすると


「わたし、なんかどきどきしてます。」

なんて、消える様な声でつぶやいた。
え、とAちゃんの方を向くと、ちゃんと起きていて。寝ぼけて言っているわけではなさそうだった。


「…俺も、どきどきしてるよ」

そう言って、しゃがんでいた体勢を崩してそのままAちゃんを軽く抱きしめた。
Aちゃんはというと振りほどくこともなく、俺の胸にすっぽり顔を預けるのだった。


…期待していいんだろうか。

すぐ近くに、Aちゃんの唇があって、じっと見てしてしまう。
彼女の乱れた髪を指で耳にかけてあげると頬に軽く触れた。

くすぐったそうにするけれど、
何も言わないAちゃん。

今にでも、キスしたい。

そんな中、障子の外から
お酒足りてますか?と投げかけられる。

2人とも一瞬にして現実に戻って、

「も、もう大丈夫です!もう出ます!」

と急いで荷物を持って外に出るのだった。








タクシーはあっさり捕まって2人で乗り込む。

Aちゃんは何事もなかったように、テキパキと住所を運転手に伝える。

さっきの会計も俺が席を外していた時に済ませていたようで。

「すみません、ご馳走様でした。」

「いえいえ」


経費で落とすので、と笑った。

2人とも、さっきの事は触れようとしない。
彼女はなにを考えているんだろう?
彼女は、俺を男として見てるんだろうか?

ちら、とAちゃんを見ると
座席のシートに乗せていた指同士が軽く触れた。
どきり、として、
どちらからともなく、指をそのまま絡ませて、恋人繋ぎになった。


「俺、手汗すごいでしょ」

「はい」

Aちゃんはまた無邪気に笑った。

ずるいなあ、この子。



俺はもう、どうしようもなく、Aちゃんが好きだ。







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設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ , 横尾渉   
作品ジャンル:タレント
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soda(プロフ) - れんじさん» わあーありがとうございます!!もっとキュンキュンできるようがんばります!!! (2020年4月30日 7時) (レス) id: 058fb893a4 (このIDを非表示/違反報告)
れんじ - めちゃめちゃ好きですキュンキュンします (2020年4月30日 1時) (レス) id: 687054fca2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:soda | 作成日時:2020年4月12日 23時

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