・ side y ページ16
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遅い。
スタジオまでの迎えがなかなか来ない。
昨日10時に迎えに行きますなんていうAちゃんからのLINE。
LINEの通知でさえ、なんか中学生のようにドキッとしてしまって。
いろいろ考えてしまった昨日を無かった事にしてやりたい。
指定の時間を過ぎたあたりでマンションの下に降りる、ちょうど来ていたようで呼び出しのパネルの前にAちゃんが立っていた。
「すみません待たせてしまって」
「ううん、行こっか」
いつもならギリギリだと悪態つく俺。
そんな返事でもないのでAちゃんはちょっと驚いた顔をした。
「…え？二階堂？」
「あ、お邪魔してます」
車のドアを開くと二階堂がちょっと縮こまって座っていた。
いきなりだったので少しびびった、話を聞くとマネージャーが体調悪いようで送り迎えだけAちゃんがお願いされていると。
ふーん。だから遅れたワケ。まあ厳密に言えば遅れではないんだけど。
「なんか面白いですよねえ、こんなのも」
そう、Aちゃんが能天気に言うもんだから、
俺の杞憂はなんだったのかと肩透かし。
二階堂は二階堂でご機嫌？でなんかイラつく。
「別に面白くなくない？
迎えもギリギリだし」
ちょっとトゲのある言い方をする。
Aちゃんも二階堂も慣れているからかあまり気にしてない様子だけど、Aちゃんはチラ、と俺を見て
「横尾さんすみませんって、烏龍茶飲みます？」
「いらない」
そうつい言葉を投げ捨てる。
後ろに置いてあるんで、というAちゃんの言葉も聞こえてるけど、なんというか強がってしまって聞こえないふりをした。
しばらくたった後に冷た過ぎたかも、と少し後悔しつつ窓の外をボーっと眺めていた。
沈黙が何分か続いて、
FMのラジオだけが淡々と流れる車内。
いつも2人で車内でなんとなく流して聴いている番組だ。
パーソナリティがいつも面白いんだけど、こんな車内だとあんまり聴く気になれない。
『〜って言うことがありまして！』
いつもだったら今のところ笑うなーっていうポイントも、冷静に聴いている自分。
すると運転席から、
「あはは、横尾さん今の聞きました？」
なんて、さっきの流れなんてお構い無しに
呑気に笑いながら喋りかけてくるAちゃん。
気を使ってるのか、はたまた本当に気にしてないのか。
「いまのやばいね」
なんて、強がっていた俺も結局笑みがこぼれてしまうのであった。
「え？Aちゃん横尾さんの扱いプロ過ぎない？！」
…というのはその後楽屋での二階堂が太輔に言った台詞だそうな。
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soda(プロフ) - れんじさん» わあーありがとうございます！！もっとキュンキュンできるようがんばります！！！ (2020年4月30日 7時) (
レス) id: 058fb893a4 (このIDを非表示/違反報告)
れんじ - めちゃめちゃ好きですキュンキュンします (2020年4月30日 1時) (レス) id: 687054fca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：soda | 作成日時：2020年4月12日 23時
