episode弍 ページ4
見慣れた天井とカーテンの隙間から朝日が差し込む
隣に目をやれば魘されている行為後のA
程よく鍛えられた透明感のある肌に汗と涙が伝う
見ていられなくてつい彼女を抱き締めてしまう
一度Aに告った事がある…あっさりと振られてしまったがな
事情は知っていたから予想はしていた
Aは自分自身と関わりを持っていると悪魔に殺されると思い込んでいる
それが彼女が交友関係を持たない理由
でもそれは本心じゃないのもよく知っている
Aは誰よりも情が深く同時に人間が好きなはず
夢から覚めたのか綺麗な目を開けて赤い瞳を見せる
酷く焦っていて今にも泣いてしまいそうなAを呼ぶと静かに呼び返す
大丈夫かなんて聞かない、大丈夫なんかじゃないからな…もうとっくに限界なんだ
アキ「朝食作るからシャワー浴びてこい」
そう言うと静かに頷いて俺の中から離れる
シャワーを浴びに行ったAを見送って俺も着替え台所に立つ
目玉焼きを2枚焼いて2つの皿に焼いたベーコンと盛り付け食パンをトースターに入れる
「アーキくんっ」
アキ「A…髪、濡れてる」
ショーツだけ履いて濡れた髪を緩く纏めているAが後から抱き着いてくる
いつもの事だが男の気持ちも考えてほしいと思いながら気持ちを抑えて平然と珈琲をいれる
アキ「髪乾かしてこい、風邪ひく」
「んーだって、めんどくさいんだもん…乾かして欲しいなぁ…？」
アキ「はぁ…分かったから服着て来い、朝から喰うぞ」
「きゃー！アキくんのえっち♡」
今朝の暗かったAとは裏腹に俺が脅せば騒がしく逃げていく
よく見ると目が腫れていた…シャワー浴びながら泣いてたんだろう
Aは俺が好きなのはマキマさんだと思っている…いや実際そうなんだが
それは尊敬の意を込めたものであって手の届かない人だ
テレビの中にいる芸能人と同じ…だからってAでいいなんて思っちゃいない
Aにはいつか心の底から笑って欲しいなんて…
「アキく〜んピンクのブラが見当たんないよう」
アキ「お前な…少し恥じらいを持ったらどうなんだ…？」
「アキくんに恥ら…い？？？」
アキ「首をあからさまに傾げんな…昨日付けてなかったか？」
「昨日つけてたブラ覚えてんの？アキくんのむっつり」
この後言うまでもなく少しAをからかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリンギ | 作成日時：2022年11月13日 9時
