【炎炎ノ消防隊】浅草の月明かり (ページ10)

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🌙 ページ10

火蛍「背中…ごめんなさい、私が余計な事をしなくても紅は自分で何とかできるのに…」

紅丸「もう気にすんな」

火蛍「私、いっつも守られてばかりだから…」

紅丸「……俺に守られてりゃいいんだよ(小声)」

そう言って紅が優しく抱き締めてくれた

火蛍「？」

何を言ったのかは聞こえなかったけどそれどころじゃなかった

紅の腕の中で沢山泣きじゃくってしまった

ただただ、こうしているのが安心して暖かくて…

悩んでいたことが馬鹿馬鹿しく思えてくるほど…

紅丸「…ったく風邪ひいたらどうすんだよ…人の気も知らねぇで呑気に寝やがって…」

気づけば眠りに落ちてしまって、呆れたように紅は私を抱いて詰所に戻って行った

(紅丸side)

俺の腕の中で泣き喚いて疲れたのかぐっすり眠る火蛍

火蛍の言ってることが本当かどうかは知らねぇが火蛍が怯えながら話すんだ

嘘なんてついてるようには見えねぇ

紺炉にも話しておかないとな

火蛍を抱いて詰所に戻る

紺炉「紅！火蛍は…寝てんのか…？」

簡潔に火蛍から聞いた話を紺炉に話す

紺炉「！…そうか…その点には俺にも心当たりはある…」

紅丸「心当たりだと？」

紺炉「あぁ…今話してやりたいとこだが火蛍も寝てるしな…」

紅丸「…明日にでも話してやってくれ、俺はこいつを布団にいれてくる」

紺炉「あぁ、そのつもりだ」

紺炉が何か知ってるようだが本人がこれじゃ話もできねぇ

ったく…世話がやける

火蛍「ｽｩ…ｽｩ…」

紅丸「…泣き喚いたと思ったらぐっすり眠りやがって…人の気も知れねぇでなぁ…」

火蛍を布団の中に入れて掛け布団をかけてやる

ガキん時はただのお節介女で鬱陶しいウザイ奴だったが

紅丸「いつの間に綺麗になりやがって…今じゃ浅草の花…か…」

火蛍「…べ、に…」

紅丸「……夢でも見てんのか」

火蛍は俺が守ってやらねぇとダメなんだ…

紅丸「安心しろ…俺は居なくならねぇ」

一緒の布団に入って火蛍を抱きしめる

腕の中に収めてやるとまた規則正しい寝息を立てる

そのまま俺も目を閉じると寝息につられたのか結局その晩は一緒に寝てしまった