第3回生存者発表式 3 ページ8
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「韓国に来てからそろそろ6年が経ちます。ここに来てからは、何も期待しないで生きていこうって思っていました。その頃は大変なことが多かったんです。
夢を見るのをやめました。幸せという感情を諦めました。
でもそれが、ここに来て全部変わりました。
ここでは自分を思って叱ってくれる人がいて、心配してくれる人がいて、一緒に喜んでくれる人がいます。本当に素敵な友人たちに恵まれました。そして、こんな足りない僕を見つけて、愛してくれる人が世界中にいることを知ることができました。
ずっと目を背けていた幸せという感情にまた巡り会えた気がします。
まだ、もう少し夢を見るのを許して下さい。両親と兄が見守ってくれているのを信じて、最後まで走り抜きたいと思います。
皆、大好きです。もちろん、今日いない子たちも、そしてこんな僕を見つけてくれたファンの方も。皆さんの幸せだけを祈ってます。
ありがとう」
言い終わると同時に、私は腰を折って深くお辞儀をした。
目の前の練習生だけで無く、今この場にいない子たちに向けた感謝を精一杯込めたかったのだ。
前後から拍手に包まれ姿勢を直すと、目の前に座る練習生達の姿が目に入る。長々と話してしまった恥ずかしさを誤魔化したくて、私はぎこちない笑みを作った。
今一度腰を折ってから自分の席に着こうと振り返るやいなや、体に大きな衝撃を感じて思わず後ろ倒れそうになった。
突然の衝撃の正体はマシューだったらしく、強い力で抱き締める彼を私は何とか引き剥がそうとするが、意外と体格のいい彼はびくともしない。
『ちょっと、マシュー』
呼びかけると、返事の代わりに鼻を啜る音が聞こえた。
『え、マシュー何で泣いてるの』
『何で引いてるの...悪いのAでしょ』
『えー、泣かせるようなことしたかなぁ』
マシューを遠ざけようと奮闘していると、いつの間にか私は多くの練習生に囲まれていた。
飾らない言葉でかけられた祝福が照れ臭かった。
皆からの出迎えが落ち着いて、席に着こうと階段の段差を見遣っていたら、ふいに私の足元に影が出来た。見上げると、ハンビンが目の前に立っている。
目尻を下げて、口元は満足そうに弧を描いていた。
「A」
私の名前を呼んだハンビンは両腕を大きく広げた。
その意味を理解した私は、迷う事なく彼の背中に腕を回した。
「ハンビン、ありがとう」
他の誰にも聞こえないくらいの声量で、私はハンビンの耳元で囁いた。
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ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (3月14日 22時) (
レス) @page25 id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 続きが見たいです😭 (12月30日 14時) (レス) @page24 id: 5c6fd2a21e (このIDを非表示/違反報告)
無添加 - 感動してます、本当に更新されてる、、生きててよかった、、、です。 (9月26日 2時) (レス) id: 5066827cbd (このIDを非表示/違反報告)
すいみ(プロフ) - ダリアさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます💘この亀更新なのに待っていただけたなんて嬉し過ぎます😭あと少し、最後まで見守っててください✨ (9月17日 23時) (レス) id: 112579e6aa (このIDを非表示/違反報告)
ダリア(プロフ) - 更新ありがとうございます😭ずっと続きが気になっててほんとにありがとうございます😢😢 (9月11日 17時) (レス) id: 942cc2825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年6月16日 23時
