恋愛対象外だったはずの同期と再会したら、色気MAXになってた件。【諸伏景光】

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田辺さんの言葉に私は目を見開く。

しかし籠石さんには心当たりがあるようで、顔を真っ青にしていた。



「ま……まさか」

「そうよ。私はあの人の妹＿＿＿アンタが中学生のときにいじめていた田辺初葉(ういは)のね！」



田辺さんは私に取り押さえられながらも続ける。



「アンタがお姉ちゃんをいじめてたせいで、お姉ちゃんは死んだのよ！自ら！
だから私はアンタに復讐してやろうと思った…！」

『ってことは教育実習でここに来たのも…』

「そうよ、全部計画のうち。籠石さんがここに住んでいて子供が帝丹小学校に通っているって知ったから＿＿＿教育実習でここに来れるように必死にアピールしたんだから。
教員になる勉強はもともとしてたからね」



すると籠石さんはふっと口許を歪めた。



「じゃあお前は、復讐のために教師になる未来も自分の人生もダメにしたってことか？ははっ、そんなこ＿＿＿」

「黙って！！！アンタにはわからないでしょう！大事な人を失った辛さを…！」



そこで田辺さんの様子がおかしいことに気がついた。

ポケットを漁ってる…？



『！』



も、もしかして。



「なのにお姉ちゃんを追い詰めたアンタが結婚して子供までいて幸せに生きてるのよっ!お姉ちゃんを返してよ!!

手塚さん、貴方に恨みはないけど退いてもらう＿＿＿!!!」

『……！』



予想通り、田辺さんは隠し持っていたナイフを振り上げる。



この距離じゃナイフを弾き飛ばすこともできないし、負傷を最低限にするので精一杯だ……！



どんどんナイフが向かってくる。



『っ…』



私は目を瞑って痛みを覚悟した。

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