・ ページ19
「オレを意識してるのなんてほんの一瞬でしょ?」
『ちょ、』
「オレはそれがすごく悔しいんだ…」
下にはソファーがあって、気づけば景光くんに馬乗りにされていて。
『………っ!?』
有り得ないくらい全身が熱くなる。
なに、この体制。
「ほら、逃げ場ないでしょ」
上から私を見下ろす彼に、不覚にも見惚れてしまって言葉が出ない。
そんな私に彼は「はぁ…」とため息を吐く。
「男を家にあげるし、急に抱きしめるし……危機感なさすぎ。それともオレだから?」
『そ、れは…』
「君をオトすって言ってる男だよ?これでも我慢してるつもりなんだけど、本当は__」
“今すぐ食べちゃいたいくらい”
そう放った景光くんは紛れもなく獣の目をしていた。
彼の大きくてゴツゴツした手が、私の頬を撫でる。
『あ……』
いい、と思ってしまった。
このまま彼に身を任せても。
彼に食べられてしまっても。
景光くんになら抱かれてもいい、と。
だからそっと瞼を閉じた。
景光くんの手はしばらく私の頬にあったが、ぴたりと動きをとめて__
私からそっと手を放した。
1252人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くるみ(プロフ) - とっても面白かったです (10月6日 0時) (レス) @page47 id: dd662f3c96 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - はじめまして、景光くんの優しさや真面目さが大好きなので、景光くんの一途な思いに凄くときめきました。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月21日 3時) (レス) @page47 id: 8f97d5546c (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 足軽さん» コメントありがとうございます!大好きだなんて嬉しいです…!このお話が栄養剤になるなんて光栄です(笑)疲労をほぐして頑張ってくださいー! (2022年8月28日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
足軽(プロフ) - 大好きすぎます………栄養剤になりますありがとうございます………疲労によく効く…… (2022年8月28日 15時) (レス) @page1 id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 田舎ママさん» コメントありがとうございます!素敵だなんて…!めちゃくちゃ嬉しいです!こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: 1888b997ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ