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にげば ページ18

『景光くん…?』



私が離れようとしても景光くんが私を抱きしめかえす力の方が強くて、中々離れられない。

彼は私を離さないまま、何も言わない。



も、もしかして…。



『泣いてるの?』



心配になってきて彼の顔を覗き込もうとした瞬間___



「ふふっ、泣いてないよ。色々あったなぁって考えてただけ」



景光くんがケロっとした顔をあげて笑ったもんだから、なんだか拍子抜けしてしまった。



『んも〜……過去について考えるのはいいけど抱きしめられたままの私の気持ちも考えなさいよ〜?』

「あははっ、ごめんごめん」



心配して損した〜と口を尖らせながら、私は席を立つ。

そしてそのままソファーに座った。



テレビでもつけようかな、今日のロードショーなんだっけ……なんて思ってると。



「___Aちゃん」

『わっ…!?』



ソファーが更に沈んで、私の視界に映っていたはずのテレビが隠される。

目の前には、景光くんの顔があった。



『な、なに…?』

「やっぱりAちゃんて、まだオレのこと意識してくれてないよね」

『は、』



突然すぎる言葉に、一瞬思考がとまった。



『い、いやいやいや…!充分してると思うけど…?っていうか景光くんが意識させてるんじゃない…!』



誰かさんのせいで昨日から私の心拍数があがりまくってるのよ。



しかし景光くんは首を横に振る。



まだそんなんじゃ足りない、とでも言うように。



彼の瞳は熱と欲を孕んでいるようにも見えて___



『え、』



思わず声が零れる。



彼の手は、優しく私を押し倒したのだった。

・→←わがまま



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くるみ(プロフ) - とっても面白かったです (10月6日 0時) (レス) @page47 id: dd662f3c96 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - はじめまして、景光くんの優しさや真面目さが大好きなので、景光くんの一途な思いに凄くときめきました。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月21日 3時) (レス) @page47 id: 8f97d5546c (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 足軽さん» コメントありがとうございます!大好きだなんて嬉しいです…!このお話が栄養剤になるなんて光栄です(笑)疲労をほぐして頑張ってくださいー! (2022年8月28日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
足軽(プロフ) - 大好きすぎます………栄養剤になりますありがとうございます………疲労によく効く…… (2022年8月28日 15時) (レス) @page1 id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 田舎ママさん» コメントありがとうございます!素敵だなんて…!めちゃくちゃ嬉しいです!こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: 1888b997ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江良 | 作者ホームページ:**  
作成日時:2022年7月19日 22時

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