10話:美味しいお茶会 ページ12
はっと、振り向くとテラスから、顔をだした人が見えた。
?『ケーキがちょうどできましたし、美味しいコーヒーも煎れたので』
そう言ってにっこりと柔らかく微笑む。
綺麗な長めの茶髪が風邪に揺れた。
私がぽかんとしているのに気づいたのか、アメリカさんが説明してくれた。
アメ「リトアニアだ。俺の友達で、今日は家の用事の手伝いをしてもらいにきたんだ」
あ『そ、そうなんですか…』
リトアニアさんはアメリカさんに目配せした。
リト「もしかして、会議場であったっていうあの子ですか?」
アメ「ああ。あのロシアのとこの……」
’ロシア’と言う言葉がでてきた瞬間、リトアニアさんの顔が曇った。
だが、すぐに表情を戻すと私のほうに向きかえった。
リト「始めまして、リトアニアです。よろしくね」
あ『わ、私はAといいます。あの、よろしくお願いします』
リト「A……?
……可愛い名前だね」
なぜか、リトアニアさんは、やけに驚いた顔をしていた。
リト「さあ、コーヒーが冷めちゃいますよ。早く食べましょう」
アメリカさんに誘導されて、私はテラスのテーブルに置かれた椅子に座らせられた。
テーブルの上には黒い液体の入った陶器のカップに、真っ白な粉で飾られた茶色いケーキが置いてあった。
ケーキは何かが塗られているようにきらきらと光沢があって……。
あ『これ……。食べていいんでしょうか?』
アメ「遠慮なんかしなくていいんだぞ!」
あ『いえ、そういうわけではないんです。ただ、綺麗すぎてもったいないような気がして。……なんていうか見ているだけで幸せ』
太陽の光を反射させて輝くケーキを見つめ、答えた。
ほんとうに綺麗。こんな綺麗な食べ物初めてだよ。
思わずうっとりとした気分になっていると、リトアニアさんがクスクスと笑っていった。
リト「でもね、Aちゃん?見ているのもいいけど、食べたほうが何倍も幸せな気持ちになると思うなあ」
あ『本当ですか?!』
リト「本当、本当」
リトアニアさんはフォークを手にとると、私のケーキをすぅーと切った。
あ『あ!もったいない』
大きく開けた私の口に、甘い感覚が飛び込んできた。
口の中ですっと溶けて広がっていく。
これは本当に……。
リト「ね?美味しいでしょ」
あ『……はい』
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咲(プロフ) - 勇者をたたえてここに表彰状を贈る さー様 miho様 おめでとうござi((ナポリタントルネード!!! ぐおふっ! (2011年10月20日 23時) (レス) id: 638ce0c5ce (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ゴムってwwwwwwwwwwwwwミミズグミ!? (2011年10月11日 8時) (レス) id: 92c85bdaba (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ - www面白いです頑張って (2011年10月10日 18時) (レス) id: 6a13455e63 (このIDを非表示/違反報告)
miho:男と女の中間にいる生物 - 私は噂のサルミアッキを喰った。口に広がるゴムの味・。・・ (2011年10月8日 8時) (レス) id: 9512d7a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
さー - お☆ひ☆さ☆!!あんまりこれなくてI`m sorryだよ>< 俺はメリカ産のミミズグミ食った・・・。蛍光色の食べ物は伝説ではなかったっ・・・ぐはぁ!! (2011年10月3日 17時) (レス) id: 89e47f1aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽菜 | 作成日時:2011年7月26日 23時