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先輩の顔、見えないな。
めっちゃ見たいんだけどな。
見えないんじゃなくて、見れないんだな。
『善逸は、私のことが好───』
善逸「好き」
苦笑する声が聞こえる。
そりゃ好きに決まってんでしょうが。
勢いで抱きついちゃったけど、幸せで仕方ないんだよ。
先輩の俺に対する気持ちはまた別として。
……身勝手だけど。
『昨日はごめんね。本当はね、腹が立ったの』
善逸「………なんで?」
『そういうとこ』
どうしよう……、さっぱり分からん………。
必死で考えるも、先輩のため息を聞いて諦める。
『本当は誰が好きなのか分かんないし』
善逸「だから俺は先輩が好きなんだってば」
『昨日だって私と帰りたいとか言ったくせに存在忘れてたじゃん』
善逸「……………そゆこと、」
なんだ、嫉妬か。
そう思う反面、罪悪感が溢れ出す。
『────私だって禰豆子ちゃんと喋りたかったのに……』
善逸「…………は?」
えっ、そっち?あれ、俺じゃなくて??
嫉妬って俺に向けて???
は?何それ。
少し、いやかなり腹が立ち、ほんのりと赤く染まっている先輩の耳を後ろから食んだ。
『ひあっ、ちょっ…、なに……っ?!』
善逸「俺も言わせてもらうけど、俺以外の男と話してる先輩、まじで嫌いだから。その男共はもっと嫌い」
『……耳っ、や……め…、』
耳元で口を開けば、華奢な肩をびくつかせる。
あ、ダメだ。これ止まんないやつ。
善逸「よくよく考えてみればお互い様じゃない?後輩だからって馬鹿にしないでよね」
お腹に回していた手で、体をなぞるように上へと滑らせ、固く閉ざされている唇に触れる。
こじ開けるようにして口内に中指と薬指を入れれば、先輩の可愛い声が小さく漏れた。
善逸「ね、嫉妬してたってことは、もしかして俺のこと気になってたりする……?俺の片想いじゃなかったってこと……??」
『んあっ……ふぁ……ッ、ひが……う………』
善逸「違う?何が違うの??」
何かを訴えるようにこちらを向いた先輩の目は潤んでいて、俺の自制心を強く煽った。
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びっぐべいびー(プロフ) - 夕陽さん» 私も夕陽さん大好きです!!!!!おどおどさせます!!!!!有難うございます!!!! (2020年2月16日 22時) (レス) id: e79a92b9d7 (このIDを非表示/違反報告)
夕陽(プロフ) - あああやっぱりびっぐべいびーさんの作品が好きです!オドオドする善逸がめちゃっ好き……。応援してます! (2020年2月16日 21時) (レス) id: 1027af9147 (このIDを非表示/違反報告)
びっぐべいびー(プロフ) - SPADEさん» めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます! (2020年2月15日 23時) (レス) id: e79a92b9d7 (このIDを非表示/違反報告)
SPADE(プロフ) - 好きです。めちゃくちゃタイプです。更新頑張ってください! (2020年2月15日 13時) (レス) id: eddc682581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びっぐべいびー | 作成日時:2020年2月15日 10時