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口内の指をそっと抜けば、銀色の糸が引く。
先輩の唇の端に垂れている唾液を小さく舐めるようにして拭えば、顔を真っ赤にして目を泳がせていた。
善逸「………ねぇ、わざと?俺以外の男にもそんな顔すんの……?」
『……………違う。おまえ、ぼけなす』
善逸「急な悪口……」
拗ねたように俯きながらそっぽを向き、くるりと向きを変えて壁に背中を預ける先輩。
『ここまで押しが強いの、善逸だけ…だから……。勘弁してよ…、心臓痛い……』
善逸「…………保健室、行きますか」
『行きません』
善逸「いやほんとまじでやばいんだって。今の顔、めっちゃエ ロいです」
『うるさい』
善逸「俺まじで先輩のこと好きだわ。結婚しない?毎日ザギンのシースー食べさせてあげるよ」
『古い』
善逸「なんで分かってくんないかなぁーー。俺ほんとに先輩のことが好きなんですよぉーー。どれくらい好きか語るには1日じゃ────」
『黙って』
善逸「ん…っ、!!?」
えっと、先輩の顔が真近くにあって、小さな手は俺の後頭部に回って、もう片方の手は俺のネクタイを掴んで引っ張って………は??
何事。
何だこれ。
夢か。
なら醒めるな。
このまま死ぬか。
それも悪くないな。
寧ろ最高だな。
『────………好き』
善逸「…………俺も、好き」
『知ってる』
照れながらも にひっ と笑うその顔は、今までに見た事のないような、恐らく俺しか知らないであろうものだった。
善逸「………あっ、は……は…………ははっ……」
『ちょっ、善逸…!!!!』
嬉しさの余り、腰が砕けてその場に崩れ落ちる。
情報量の多さに頭がパンクしそうだ。
善逸「俺、先輩の……だ、旦那………」
『彼氏な』
善逸「ひょえっ!!?かっ、彼氏……ッ!!?!!?」
今までにないくらい心臓が脈打ってる。
破裂するんじゃね。
嬉死??尊死???幸福死????
善逸「────先輩、」
『なんだい』
先輩「…………………
もう少しスカート下げましょう」
『風紀委員……』
“好きです”
そう言おうとしたにも関わらず、風紀委員としてのプライド、そして彼氏としての嫉妬が勝ってしまった。
善逸「…………黒、」
『見んな』
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びっぐべいびー(プロフ) - 夕陽さん» 私も夕陽さん大好きです!!!!!おどおどさせます!!!!!有難うございます!!!! (2020年2月16日 22時) (レス) id: e79a92b9d7 (このIDを非表示/違反報告)
夕陽(プロフ) - あああやっぱりびっぐべいびーさんの作品が好きです!オドオドする善逸がめちゃっ好き……。応援してます! (2020年2月16日 21時) (レス) id: 1027af9147 (このIDを非表示/違反報告)
びっぐべいびー(プロフ) - SPADEさん» めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます! (2020年2月15日 23時) (レス) id: e79a92b9d7 (このIDを非表示/違反報告)
SPADE(プロフ) - 好きです。めちゃくちゃタイプです。更新頑張ってください! (2020年2月15日 13時) (レス) id: eddc682581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びっぐべいびー | 作成日時:2020年2月15日 10時