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「そろそろ上がるか。ずっと入ってると冷えるだろ」
『そうだね』
「・・・腹減ってきた」
『時間的にもちょうどお昼なんじゃない？』
手元にケータイがないから正確な時間は分からないけど、お腹の空き具合からしてそろそろお昼だと思う。気付けば入ったときよりも海に居る人数はだいぶ少なくなっていた。
＿＿＿離れたくない。
繋がれるこの手を解いて欲しくない。
急激に気分が下がり始めた私を不思議に思ったのか、飛雄が情欲を煽る姿で覗き込んでくる。蒼い双眸から逃げた視線は鍛えられた肉体へと落ちていき、耐え忍んでいた内なる欲が顔を出し始めた。
「寒いか？」
『ううん、大丈夫』
「なんでそんなしょげてんだよ」
『・・・それは、その、』
言葉を濁らせると、尖らせた唇で理由を探ろうとしてくる。アップにされた髪を弄ってくる繊細な指先。その動きに敏感に反応してしまう自分が恥ずかしい。
どうせなら、もっと二人きりになりたい。さっきから砂浜にいる先輩達の視線が恥ずかしくて、触れそうで触れ合わない互いの距離がもどかしくて仕方がない。
文句を言いながらも最終的には毎回話を聞いてくれる飛雄の優しさに漬け込んで、場違いだと分かっているけど己の欲望を曝け出す我儘を口にしてみた。
『ねぇ飛雄』
「今度はなんだよ」
『・・・ちゅーして』
零れ落ちる強欲。それを呑み込んだ飛雄から渇いた音が漏れると、髪を弄っていた指先がピタリと動きを止めた。波の音だけがやけに大きく聞こえて、私達のあいだに訪れた静寂が互いの速まる鼓動を己に強く実感させる。
自分でも恥ずかしいことを言ってるって分かっている。だけどこんなに近くに居るのに触れられないもどかしさが焦れったくて、一度知ってしまったあの熱と欲が混ざり合う感覚が堪らなく欲しくなってしまう。
朱色の頬を強ばらせて視線を外していく彼も、きっといま同じことを考えているのだろう。厭らしく指を絡ませながら紡がれる台詞が、まさにそれを物語っていた。
「・・・場所、移動するぞ。さすがにこんな見られてる中じゃ出来ねぇだろ」
紐を引いて皆の視界から外れようとする背中を見つめながら、加速していく心音を必死に宥めてみる。
自分はこんなにも欲望に忠実な女だったのかと襲い来る羞恥心と戦いながらも、桜色に染まる唇は既に甘い熱を待ち望んでいた。
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惠音(プロフ) - kazo62さん» 永遠にならないようなるべく頑張ります....！笑。楽しみにしてくださってると思うとやる気もメキメキ湧きますので！ご期待に応えられるよう励みますので、これからもよろしくお願い致します！ (8月9日 17時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
kazo62(プロフ) - 惠音さん» ああああ本当ですか！是非よろしくお願いしますっっ永遠に待ちます！惠音様のペースで全然大丈夫ですので！これからも応援しています！頑張って下さい！ (8月7日 7時) (レス) id: b69daefb3c (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - kazo62さん» ドキドキして頂けて光栄です！月島くんのお話しもずっと書きたいと思っていたので！月島くん素敵ですよね！！まだ先にはなってしまうかもしれませんが気長に待ってくださると嬉しいです....！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - コパンダさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！キュンキュンしてもらえて嬉しいです....！完結までもうしばらく続きますので楽しんでもらえたら幸いです〜！！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - あもんさん» 無事に6章も終わりました！甘々を堪能頂けたでしょうか....？！7章も甘々なので引き続き読んでもらえたら幸いです！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年5月27日 19時
