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(月島side)
＿＿＿ 純真で真っ直ぐな人間が苦手だ。
全ての概念を根元から引っくり返して、その言動こそが正しいものであると思わせてしまうから。
僕の中で作り上げてきた他人との壁と境界線を、いとも簡単に乗り越えて馴染んでしまうから。
「・・・」
普段通りの日常に滲み出た、ほんの僅かな違和感。体育館から少し離れた階段で膝を抱えて座り込む姿を捉えたとき、眉を顰める自身の脳内で選択肢を迫られた。
気が付かないフリをしてその場を立ち去るか、偽善者ぶってその気落ちした背中に声を掛けるのか。
＿＿＿前者だ。
間違いなく僕が選択するのはそれだった。
僕には全くもって関係のないことで、どうせ王様と痴話喧嘩したとか至って興味の持てない理由なんだろうから。
─── ”月島くんて、良い人だよね ”
踵を返す僕の足取りを重くした原因は、一体なんだろう。
乾ききった地面へ目蓋を伏せ、照りつける日差しが作り出す自身の影をぼんやり眺め思考を巡らせようとした。だけどそれが実行されることはなかった、脳を働かせる前に動き出したのは身体の方だったから。
物憂い滲む丸くなった背中に声を掛けるのには僅かな時間を要した。この距離まで来ておいて、やはり止めるべきだろうかと往生際の悪い思考が見え隠れするせいで。
気付かれないよう小さく息を吐いて無駄な回路を遮断すると、感情任せに抑揚ない音を放つ。
「・・・こんなところで何してるの」
自分自身に問い掛けたかった。
”お前は一体、何をやっているんだ”と。
きっと彼女が求めているものは他の誰でもなく王様ただひとりで、こんなときに第三者である赤の他人に話し掛けられたところで無駄な気遣いをさせてしまうだけなのに。
ただなんとなく、
”普段通り”じゃないことに違和感を感じたから。
陽だまりのようなあの笑顔がそこに存在しないことが、
少し居心地悪く感じただけ。
『・・・月島くん』
覇気のない声色が耳朶を打つ。
普段の彼女からは想像出来ないほどか細くて感傷的な音は、それだけで胸中穏やかではないのだと推測できてしまう。予想以上の浮かない顔色に、頭の中で箇条書きで並べた台詞達が一斉に飛び散ってしまった。
自分から話し掛けておいて気まずい沈黙を作るのは如何なものかと真っ白になった脳内を今一度組み立て始めると、眉を下げた彼女が柔らかな笑みを目元に刻んだ。
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惠音(プロフ) - kazo62さん» 永遠にならないようなるべく頑張ります....！笑。楽しみにしてくださってると思うとやる気もメキメキ湧きますので！ご期待に応えられるよう励みますので、これからもよろしくお願い致します！ (8月9日 17時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
kazo62(プロフ) - 惠音さん» ああああ本当ですか！是非よろしくお願いしますっっ永遠に待ちます！惠音様のペースで全然大丈夫ですので！これからも応援しています！頑張って下さい！ (8月7日 7時) (レス) id: b69daefb3c (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - kazo62さん» ドキドキして頂けて光栄です！月島くんのお話しもずっと書きたいと思っていたので！月島くん素敵ですよね！！まだ先にはなってしまうかもしれませんが気長に待ってくださると嬉しいです....！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - コパンダさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！キュンキュンしてもらえて嬉しいです....！完結までもうしばらく続きますので楽しんでもらえたら幸いです〜！！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - あもんさん» 無事に6章も終わりました！甘々を堪能頂けたでしょうか....？！7章も甘々なので引き続き読んでもらえたら幸いです！ (8月6日 21時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年5月27日 19時
