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(月島side)
『早く良くなるといいんだけど』
「そのうち治るから」
『ちゃんと消毒してね』
「心配しすぎ」
不安気な顔でじっと掌を見つめているAに思わず笑みが漏れてしまった。”お人好しにもほどがあるだろ”と言いたくなるのを呑み込んで、浮かない色を滲ませるAを視点に入れ続ける。
───いま、君の中には誰が浮かんでいる？恋人の影山ではなく、僕をその心の中に存在させてくれていたりするのだろうか。
───この手を引き寄せたら、少しでも僕を意識してくれたりするだろうか。優しい君のことだから、拒絶しないでいてくれるかもしれない。
次から次へと湧いてくる身勝手な欲望が心を浸潤する。抗うことの出来ない、なにか大きなものに呑み込まれていくような。そしてそれを受け入れることに否定的な自分を、肯定的な自分が柔い力で無理矢理押さえ付けていく。
「・・・A」
僕の掌に触れる繊細な指先を、違和感を抱かれない程度に優しく包み込む。緩やかに視線を持ち上げた灰茶色の瞳が僕の姿を捉えるだけで、鳴り止まない重低音が更に強く鼓膜を刺激する。あまりにも純真な揺れ動く瞳に、逸らしてしまいそうになる視点を必死に繋ぎ止めながら。
＿＿＿どうすれば、君の一番になれていたのだろう。それが叶わないというのなら、せめてこの時間が永遠になればいいのに。
周りの景色がぼんやりと霞んで、まるでそこは僕達ふたりだけが存在する世界のように思えた。
「応援、してくれてありがとう。おかげで
『・・・月島くん、』
「もしかして僕の勝利の女神だったりして」
漂う空気を無理矢理切り替えたのは、抱き締めたい衝動を誤魔化すためだった。揶揄うように小首を傾げてやれば、長い睫毛に縁取られた瞳に歓喜の光が走る。真っ直ぐなその反応が嬉しくて、痛いほどに愛おしくて、もどかしい幸福に包まれる。
───・・・あぁ、駄目だ。やっぱり手離したくない。
緩く握った指先を自身の口元まで持っていき、触れる寸前で満足気に微笑んでみせた。僕の奇行に染まっていく頬が、更なる強欲を引き寄せて否定的な自身を呑み込んでいく。
「これからもちゃんと見ててよ、僕のこと」
そのひと言には多くの意味が含まれていた。分かりやすく伝えるのは恥ずかしくて、素直になるのも照れくさくて。自分なりの精一杯、愛おしい君に贈りたいありのままの想いだった。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
