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早朝の体育館に、ボールを叩き付ける音が響く。掌の上でくるくると回転させてからピタリと止めるその動作は何度見ても格好良い。伏せられた睫毛から指先まで全てが綺麗で、まるでひとつの芸術のようだ。
何度も再確認するが、何故私は今まで飛雄に恋愛感情を持たずにこれたのだろう。こんなにも格好良いのに惹かれないなんてことがあるのか。たぶん世界中の誰よりも一番格好良いと思う。そんな惚気は恥ずかしくて言えないけど。
あまりにも凝視していたせいか、準備をしていたはずの手は完全に止まっていた。代わりに私の心臓が先程から高鳴りを続けている。感情が高まり過ぎたのか、なんだか急に温もりが欲しくなってきてしまった。
『いやー、今日は寒いなぁ』
「は？」
『ホカロン欲しいなぁ』
かなり無理があるとは思うが、相手が究極お馬鹿な飛雄だから通じそうな気がする。不自然すぎて普通の人には絶対に効かないだろう。
キョトンと目を丸くする飛雄を無視して詰め寄ると、「ちょっと失礼」とひと言添えながら白いトレーナーの裾を持ち上げる。そのまま頭から突っ込むと私の上半身はすっぽりトレーナーの中に収まった。予想していたよりもだいぶキツいが、肌に当たる飛雄の子供体温がちょうどいい。本当に湯たんぽみたいだ。
この奇行に飛雄の身体が跳ねる。すぐ近くでボールの落ちる音がしたが、いま私の視界には真っ白なＴシャツと真っ白なトレーナーしか映らない。それでも、飛雄がひどく動揺していることは分かった。
「ばっ、！なんだよ！」
『寒い』
「知るか！服伸びんだろうが！」
『そんなこと言ってー、心臓バクバクだよ？』
「・・・お前な、」
胸元にピッタリ耳を押し当ててみると、尋常ではない速度を刻んでいた。フルマラソンでも完走したのかってくらい。
───・・・私が触れるだけで、こんなにもドキドキしてくれるんだ。当たり前だけど、自分がちゃんと意識されているということが嬉しくて。たまらない幸福が広がっていく。
反論の勢いがなくなったのをいいことに、どうせだからとそのままゆっくりと背中へ腕を回す。滑る指先に飛雄の身体が再び小さく跳ねた。
「ッおい、もういいだろ」
『んー、あとちょっと』
「先輩達来たらまた怒られんぞ」
それを言われてしまえば何も返せない。ついこのあいだ澤村先輩にこっ酷く叱られたばかりだ。それでも手放すのが惜しい温もりに頬を擦り寄せる。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
