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田中先輩と西谷先輩から解放されたのを確認して飛雄の元へ駆け寄る。音符がつきそうなほど軽やかに名前を呼べば、疲弊の滲む双眸を緩やかにこちらへ向けた。散々比喩されて無駄に疲れたのか、その眉間には深い皺がたっぷり刻まれている。
しかし彼の眉間に縦皺が入っているのは常日頃からなのでいちいちそれに突っ込んだりはしない。先輩達に揶揄われるのも茶飯事だ。若干の哀れみは感じるが、それだけ周りから慕われていると思うとむしろ最近は喜ばしさが勝る。
その場で足踏みしたくなるほど落ち着かない情緒をどうにか保ちながら、先程の情報を持ち出す。
『おめでとう飛雄！日本代表だって！なんかもう、凄すぎて凄いしか言えないよ！』
「気が早ぇよ。まだ選ばれてねぇだろ」
『飛雄なら絶対大丈夫！私が保証する！』
興奮気味に詰め寄ると平然と謙虚な台詞を返してくる。それでもやはりこの名誉ある選抜が嬉しいのだろう。普段よりも明るい顔色に私まで弾んでしまう。
軽く胸を張って声高々に主張する私に再度視線を落とすと、「どっから来んだよ、その保証」なんて呆れた様子で口元を綻ばせている。台詞に反した表情をしていること、本人は気が付いていないんだろうな。
＿＿＿もちろん、選ばれる保証があるわけじゃない。だけど私の中には”絶対に大丈夫”って確信にも似た何かがあった。飛雄の才能と努力を、ずっと見続けてきたから。彼が積み重ねてきたものを知っている私からすれば報われなければ抗議を申し出たいくらいのだ。
『小さい頃の約束思い出しちゃってさ。”俺がバレーの選手になったら、一番キラキラしてる景色を見せてやる！”ってやつ』
「・・・お前、あの約束・・・覚えてんのか」
『当たり前じゃん！あんな嘘みたいに大きな夢を現実にしようとしちゃうんだもん。やっぱり飛雄って凄いね』
穏やかな声で肩を竦めると、瞠る蒼い瞳が大きく揺れた。やけに驚いた様子の飛雄に小首を傾げてみれば、緩やかに和らいでいくその表情に更なる疑問が増す。確認してくるということは飛雄もあの約束を覚えていたんだ。
思考を巡らせていた私の頭を撫で回してくる大きな掌。ぐしゃぐしゃになった髪を手櫛で整えながら、文句のひとつでも言ってやろうと思っていた。だけど見上げた先の飛雄を見てしまえば、そんなのどうでも良くなってしまった。
「やっぱ、お前なんだよな」
そんな台詞を、ものすごく嬉しそうな顔で言うもんだから。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
