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閑話休題 ページ29




沈黙の路地を、明るい声が切り裂いた。


「いやァ、遅くなッて済まないね、平塚ちゃん」


「大丈夫デス」


不自然に仮面をつけた女は、ずっと微笑んだまま。

どこか物足りなく感じるのは、白の外套が無いからか。


「……知ッていたのかい?私のことを」


数時間前の威圧感はどこへやら、

どこか寂しそうな笑みで、包帯の男が尋ねる。


「何のことだか」


にぃ、と歯を見せて、火の傷をもつ道化師は笑う。

嗤いながら、自身の赤いネクタイで肩を圧迫する。

赤が紅に染まる。

それを見て、男は軽い溜息を吐いた。

呆れ半分、好奇心半分。そんな顔で。


「やはり、君は不思議な人だね」


果物の能力でウン百、

禁忌の魔法でひとり(・・・)

毒のクナイでウン十、

鈍く鋭い刃でウン千。


「褒めてマスカ、それ」


血に塗れた筈の手は、今、純白。


「勿論さ」

ぱやぱやって可愛い。→←黒い笑みって良いよね…同志よ…



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作者名:れれりるれよ。 | 作成日時:2023年10月5日 21時

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