安心する空間 ページ17
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Side fkr
約束した日当日。
柄にもなく少し緊張してしまって、待ち合わせよりだいぶ早く着いてしまった。
5分前くらいに、やってきた彼女は、いつも会う姿とはまた違った、服装や雰囲気をまとっていて、見惚れそうになってしまう。
お待たせしました！なんて言う彼女に、全然まってないよ、なんてありがちなカッコつけをしてみたりして。
ゆっくり2人で並んで歩く時間が、少しむず痒い。
話してる内容は、いつも同じことではあるんだけれど、いつもは座って話しているから、感じない身長差を感じるためか、いろいろなことを、実感させられる。
カフェに着いて案内された席は窓際の席で、ちょうど海が見える場所だった。
「好きな方どうぞ？」
『えー、じゃあこっち』
席を選ばせてあげれば、笑いながら選んでくれて。
向かい合って座ると、目の前の彼女は景色に感嘆の声をあげていて。
その姿に笑っていれば、笑わないでよと言われ、
メニューを渡しても同じ表情をするものだから、また同じように笑ってしまう。
「決まった？」
『うん！』
「ほんと楽しそうだね(笑)来てよかった」
『ねー！ありがとう』
心底喜んでる表情が見れてこちらも幸せだったし、
頼んだものが運ばれてきてから、口に入れて食べるまでの彼女の表情は、コロコロ変わって、幸せです！って顔に書いてあるな、って思えるくらいには幸せそうだった。
半分ちょっと食べたくらいの時に、どうしても今日言いたかったことを、と思って、真っ直ぐ見つめて口を開いた。
あれから、応えてあげられなかったことに後悔してたことを話せば、逆に彼女も申し訳なさそうな顔をして、思わず違うんだよ、なんて否定をして。
「結果がどうであれ、俺はAさんの味方だよ」
俺はきみの味方であること、そのことはどうしても伝えたくて。俺は答えを決めれないけれど。
きみの1番の味方でいたいなって思うんだ。
目の前で、ありがとうなんて言いながら涙を流す姿を見て、この回答は間違っていなかったかな、とおもう。
「泣かせるつもりはなかったんだけど」
『うれしいんだもん、そんなこと言ってもらえて』
「よかった、それなら。」
『決めたら、1番に報告する』
そう言ってくれた彼女の言葉が嬉しくて。
やっぱり彼女のことを救いたいし、支えたいとおもった。
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エンスイ(プロフ) - しほうさん» コメントありがとうございます…！fkrさんも主人公もどちらも好きでいてくださるコメントでとてもありがたいです(T_T ) 読んでいただきありがとうございました！ (2021年4月21日 14時) (
レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
しほう(プロフ) - めちゃっくちゃ面白かったです。fkrさんの優しさやある種の男らしさ、主人公さんの覚悟に胸がぎゅうっとにりました。読後の余韻がすごい…。素敵な作品を、どうもありがとうございました。 (2021年4月21日 10時) (レス) id: 5a9db02a2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エンスイ | 作成日時：2021年1月28日 0時
