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母はその後直ぐに帰り、後輩たちは面会ギリギリの時間までいて、名残惜しそうに帰宅して行った。
静かになった病室で一人窓を開けて外を見る。
「……」
お父様と兄様がいない家。きっと平和だろう。兄様にくっついていた弟たちも兄様から離されたことにより、攻撃的な手段はいけないのだと、きちんと教えることが出来るだろう。その反面教師が実の親と兄であることはかなり問題だが。弟たちが不安定になっていないことを祈るしかない。
味気ない病院食を食べ切り、既に消灯の時間を回った。そろそろ寝ようとベッドに寝っ転がって瞳を閉じる。
そうしてしばらく経った頃、唇にほのかな感触があった。
「……もう、フライングだよ？」
ゆっくりと目を開ければ、すぐ近くには綺麗な赤。私の大好きな、赤だった。
「……起きてたのかよ。趣味わり〜な」
「あら、お姫様は王子様のキスで起きるって知らなかったの？」
「元々寝てないんだろ」
「そこは幻想を信じなきゃ」
お互いお姫様や王子様だなんて柄でもない。さながら、魔王と女王だ。この私たちの関係は、そんな可愛いものでは無いのだ。二人で玉座に座る、どちらが上とかもなく、どちらも上なのだ。
「ったく……いいか、一度しか言わねぇ」
「……うん」
頬に触れる手がほんのりと暖かい。零は基本冷たいから、今だけは人間味を感じた。
「……俺は、お前が好きだ」
至近距離で浴びる愛の言葉に、私たちがこれまで避けていたその一線を崩したセリフに、芝居では無い。本当に心が跳ね上がった。
「俺様と付き合え」
どこまでも上からなんだから。
返事をするように、少しだけ顔を上げてその唇に口付けた。
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MAKOTO@低浮上(プロフ) - みそらーさん» ありがとうございます！遅筆ですが気長にお待ち頂けますと幸いです……。あまりお待たせしないように更新頑張りますね！ (2023年1月10日 16時) (
レス) id: eb19b3bcad (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - 続編おめでとうございます！密かにですが、待っていた甲斐がありました。体調に気をつけて、気が向いたときにでも筆をのらせてくださいませ。応援してます!! (2023年1月10日 3時) (レス) id: 99b3032165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAKOTO@低浮上 | 作者ホームページ：http
作成日時：2023年1月10日 1時
