灰心喪気/4 ページ47
「Aって、本当危機感ないよねぇ」
「心底、心配です。将来詐欺とかに引っかかりそうです」
瀬名先輩と司くんがなんか言ってる。完璧に馬鹿にされてる。頬を膨らませる私を見て、凛月先輩と鳴上先輩が笑った。笑われすぎて悲しくなってきたぞ。
そう思ってたら、後ろからバシバシと肩を叩かれた。振り向くと、愉しそうに笑う月永先輩が肩を組んでくる。
「いいぞいいぞ、その意気だ!それこそおれのknightsのプロデューサー!!お前が、戦え!!戦ってニナの正体をバラしてやれ!やられたらやり返す、勝負の鉄則だ!」
わははっ、と笑いながら、月永先輩は捨てていたペンを拾う。そして、いつものごとく「インスピレーションが〜」なんていいながら、再び床に楽譜を書き始めた。かっこいいリーダーさんはログアウトしました。
「とりあえず、今日の作戦会議はここで終了?レッスン入る?」
凛月先輩が、隣にいた瀬名先輩に聞く。瀬名先輩が答えるより先に、司くんが口を開いた。
「その前に、Aさんも話したいことがあるのでは?」
「え?」
一瞬なんのことかわからなくてきき返す。それから、さっきまでの記憶を振り返った。……あっ!!
思い出した瞬間、両目から涙が溢れてくる。目の前にいた四人(リーダーさんはいない)がぎょっとした。
「ちょっと、なんで急に泣き出したわけぇ!?」
「とりあえず鼻水拭きなよ、ほら」
「どうしたの、そんなに辛いことがあったの?」
「ゆっくりでいいので、話してください」
凛月先輩が渡してくれたティッシュの箱を受け取り、何枚も使う。いつもなら瀬名先輩に「ティッシュは一回に2枚まで!」ってケチくさい制限をされてるんだけど、今日はとめられなかった。
「あの、あの……うっ、あっ、あんずせんぱ……あんずぜんばいがぁぁぁぁ……!!」
その瞬間、全員の顔が「あっ(察し)」みたいな顔になった。鳴上先輩が何も聞かず撫でてくれたので、抱きついて泣く。鳴上先輩のユニット衣装、涙でべしょべしょだけど許して。どうせ洗濯するの私だし。
そのままびーびー泣き続けて止まらない私に、ついに瀬名先輩がキレた。
「あ〜っ、もう!!赤ちゃんみたいに泣かないでよね、チョ〜うざい!」
「ちょっと泉ちゃん、そんな言い方」
「いいから行くよ!皆、着替えて!」
行くってどこに、という凛月先輩に、瀬名先輩が叫ぶ。
「どこにって、行きたいんでしょ、焼肉!!連れてってあげるから、さっさと支度しな!!」
……え?
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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです!(この小説がです!) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
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