綺羅星/1 ページ40
守沢先輩たちと別れてから、私がとぼとぼ教室に戻っていたときだった。
前から、「あっ」という可愛らしい声がして、私は顔をあげる。そこにいたのは、顔を歪ませた桃李くんだった。隣には、伏見先輩が控えている。
「嫌なやつにあった〜!!さいあくっ、今日の運勢一番だったのに!」
ああ、占いって一位のときに限って運悪いよね……。めっちゃ分かる。けど運勢かんけいなくない??
桃李くんは、しおらしくしている私(素晴らしい演技だ、褒めて)を一瞬だけ心配そうに見て、けれどそれを否定するように首をふった。
「昨日もっ、ニナから聞いたよ!お前、ニナのこと叩いたらしいなっ!!」
頬が真っ赤で痛そうだった、と叫ぶ桃李くん。当然のごとく私は何もしてないので、「え……?じゃあニナ自分でやったの?こわ……」という感想しか出てこない。
「ニナは、すっごく優しい子なんだぞ。なのにお前は、なんの恨みがあるの?」
むしろ私が聞きたいわ。
相も変わらず無言を貫き通す私に、桃李くんは「返事もしないなんて、生意気〜!」と地団駄を踏み始めた。それを、今まで傍観していた伏見先輩が止める。
「坊っちゃま、お止めください。そろそろ行きましょう、こんな方に構っていると、坊っちゃまに危害が加わるかもしれません」
それから、そのアメジスト色の瞳が私をゆるく睨みつけた。
「金輪際、坊っちゃまに近づきませんよう。何かされたら、旦那様にも合わせる顔がございませんので」
ふ、ふしみん先輩……。
前は「ふしみん先輩ー!クワガタ捕まえたー!」ってクワガタ見せたら笑顔でため息つかれる仲だったのに!……あれ?あんま仲よくない??
「次ニナに怪我させたら、弓弦がボコボコにするからなっ!」
「勝手に私を巻き込まないでくださいまし。……それでは、失礼します」
二人は最後まで敵意丸出しのまま、去っていった。日々樹先輩の言ってた、「fineは敵」っていうの、マジなんだ。….…まあ、作戦としては、順調だよね。
今度こそ教室に戻ろうとすると、今度は後ろから肩を掴まれた。
「っ、やっと見つけた!」
振り向くと、肩で息をしている明星先輩。後ろには、衣更先輩もいる。バスケ部だバスケ部!
「ねえ、時間ある?」
……守沢先輩に引き続き、連続って君たちは示し合わせてるんですか?
とりあえず、予鈴鳴ったんで今は無理です。
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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです!(この小説がです!) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
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