日々樹渉と即興劇/1 ページ26
日々樹先輩はパッと手を離すと、私と少し距離をとった。それから、パチリとウィンクをする。私もよくわからないながらもウィンクを返そうとしたけど、失敗して瞬きを繰り返している人みたいになった。
って、結局なんなの？
その答えはすぐにやってきた。ぱたぱたと足音が聞こえたかと思ったら、ニナが戻ってきたのだ。
「日々樹先輩っ！」
砂糖菓子みたいな可愛い声で、ニナは叫ぶ。その声は、少しだけ震えていた。
「どうも、貴方の日々樹渉です…☆そんなに震えて、どうかしましたか、愛しき姫君よ」
無駄に芝居がかった口調で、日々樹先輩は両手を広げた。ニナは特につっこむことなく、胸の前で両手を握りしめる。
「Aちゃんのっ、Aちゃんの近くにいたら危険ですっ。私、私……」
言葉が続かない、とでもいうようにニナはしゃがみこんだ。危険て。本人の前で言われたら傷つくわ。私めっちゃ空気のモノマネしてるけど、ちゃんといるからね。
「Aちゃんにいじめられて、私…」
ニナは途切れ途切れに言葉を続ける。泣き方、目線の先、仕草全てにいたって隙がない。あのね、私思うんだけど、君プロデューサーより女優が向いてると思う。
「……ほう」
すると、それまで黙っていた日々樹先輩がニナの前でしゃがみこんだ。
「泣かないでください、可愛らしいお顔が台無しですよ」
………なんだこの人。
私なにも説明してないのに、完璧に作戦理解してる。knightsの皆に見せてやりたい。
さすがプロ、と茫然としていると、日々樹先輩がふと顔だけをこちらに向けた。何なに、なんか近づいてくる。
「貴方が、ニナさんを泣かせたのですか？」
「えっ」
なんですか、わたるん先輩。なんでそんなマジ顔なんですか。初めて見ましたよ貴方のそんな顔。
「日々樹先輩、ダメですっ、」
「いいえ、庇わなくて良いのですよニナさん。悪人は裁かれて当然なのです、ですよね、裏切り者さん？」
言うが早いが、気づけば私は地面に倒されていた。多分日々樹先輩に足払いをかけられたのだろうが、すごい。なんたって、全く痛くなかった。
「無様ですね」
驚くほど冷たい声音で、日々樹先輩は言う。その背中で、ニナが嘲笑を浮かべていた。……私はどうしたらいいんだ。
その気持ちを聡ったのか、日々樹先輩の口だけが動く。『即興で動いてください』よっしゃ任せろ。
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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (
レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです！(この小説がです！) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
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