【utit】たんぺんしゅう (ページ15)

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脈ナシ nrs ページ15

※学パロ

あれは桜が満開に咲いていた頃

「おれ好きな子いるから」

あの時建物の陰から聞いた言葉が私の心をいつも独占している。

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なるせとは家が隣で小さい時からずっと遊んでた。

恋心を持ち始めたのはいつからだっただろうか

いつも気づけば隣にいて思わせぶりななるせなんか嫌いだ

「ねぇ、聞こえてる？帰ろ」

私が靴を履き替えるのを待っているなるせ。

『ねぇいつも思うんだけど、なんで私といつも一緒に帰るの？友達いないの？』

「うるせぇよ！友達くらいいるよ！……でも昔からお前と帰ってるからつい癖でさ」

小学校も中学もずっと一緒に帰ってた

周りから噂なんかされちゃったりしてたな

急になるせが大きい声出したから周りからの視線が刺さる

『わ、わかったらからもう帰るよ！』

私はなるせの手を引いて急いで学校から出る

『ねぇ』

「なに」

『なんで私といつも一緒にいてくれるの？……好きな人とかいないの？』

私はいつもより小さい声で話す

「え、もしかして迷惑だった？ごめん気づかなくて」

なるせは落ち込んでいた

そんな言葉が聞きたいんじゃないのに

好きな人はいるの？私はなるせにとってなんなの？

ただそれを聞きたいだけなのに

『別に迷惑なんかじゃないよ』

私は気まずくて全速力で走り出した

今、計測すれば絶対新記録が出せる

「待って！俺の方が足速いんだよ？」

私の手を逃がさないと言っているかのようにぎゅっと握るなるせ

「さっきの質問だけどさ、俺はAと一緒にいたいからいるんだよ

それに好きな人なんていない」

ぎゅっと持った手をそのまま自分の方へ引いて私を抱き寄せる

「俺の気持ち気づいてくれた？」

『ちゃんと言葉で言ってくれなきゃ分からない』

私はなんてわがままなんだろう

もう気持ちはわかってるのに

これでもう十分嬉しいのに

欲が出る

「えーっと……その……」

恥ずかしがってるな……

なんか可愛い

「何笑ってんだよ！」

『ごめんごめん、続けて』

「その、俺はAのことが小さい時からずっと……ずっと好きでした」

私は満足した顔でなるせの顔を見る

耳まで真っ赤

私は頭をそっと撫でた

『よくできました。私も小さい時からずっと好きだよ』

過去の私へ

今持っている悩みは無駄な悩みだよ

ずっと両思いだったよ

だから素直になって気持ちを伝えてみて

そしたら幸せで溢れるから。

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