ダイスキデス 2

仲直り 1 ページ5

宮田side


｢お先ぃ〜お疲れっしたー｣

『ニカ、おつかれぇ〜』


マネージャーの送迎車の中。
仕事終わりに順に送り届けてもらう。


たった今、二階堂を降ろして 走り出した車内には、玉と千ちゃん、そして俺。


｢がっちゃんも頑固だねぇ〜。
まだ、ニカと仲直りしてないの？｣

さっきまで静まり返っていた車内に、急に玉が声を発した。

｢てか、俺が悪いわけじゃないし...。
何でか わかんないけど、二階堂が一方的に俺を無視してんの。
俺は何度も 話しかけてんのに...
だから、今回はアイツが謝るまで、絶対許さない｣


そう。

実は今、千ちゃんと二階堂は、まったく口をきいてない。


｢で、いつから無視されてんの？｣


｢もー2ヶ月ぐらい...｣


｢いやいや、千ちゃん！！盛りすぎでしょ〜。
せいぜい、2週間ぐらいじゃん(笑)｣

｢でもでもっ。
俺の体感では、2ヵ月ぐらいは余裕で経ってる｣


｢まっ、どっちでもいいけどさぁ。
仕事に支障をきたさないでよぉ〜。
もぅ、アルバムとツアーの準備、掛かってんだから｣

ふぅーと、深いため息をついたのは、千ちゃん。

｢んー。今年はミツが舞台で、構成できないって言うから、俺と二階堂とやることになってんだけど...。
まじで、二階堂の考えてることがわかんない｣


キタミツが、舞台で忙しいっていうのを口実に、舞祭組のコンサートを成功させて自信がついてる2人に、今回のキス マイのツアーの構成を任せることになった。


そんな事を話している間に、千ちゃん宅に着いた。

｢玉、宮田。お疲れさま。お先ぃ〜｣

力なく車を降りてった千ちゃん。

二階堂と話せてないことで、やっぱり、元気をなくしていってる。

再び走り出した車内。

｢みあたぁ〜。あの二人どーなってんの？
ニカからなんか、聞いてないの？｣

俺も幾度となく二階堂に原因を聞こうとしたけど、その度にはぐらかされている。

｢二階堂も、怒ってるって感じじゃないんだけど...。なんか、千ちゃんとは口きかないんだよね〜｣

｢でも、今日、カメラまわってるのに、がっちゃんの手を振り払ったりして、ニカ的にも、何もなくはないでしょ？｣

あれには俺もびっくりした。

アルバム曲の振付で、隣の人の顎の下に手をもってくってのがあるんだけど、二階堂の顎の下に置いた千ちゃんの手を、勢いよく振り払った二階堂。

一瞬、現場が凍りついた。

スタッフさんも、ニカ千のネタだと思い、何もなかったみたいなってるけど...。

どうなるんだろ。

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