ダイスキデス 2

アイス 1 ページ17

玉森 side


―――弟組楽屋


｢みあたぁ〜〜。暑っちーよ、ここ。ちゃんと空調効いてんの？ガンガン冷やしてもらってよ｣


室内とはいえ真夏のうだるような暑さ。
それに加え、機材のトラブルにより撮影が中断していて、余計にイライラが増す。


｢タマ、むちゃ言わないでよぉ。外はもっと暑いんだからね...｣


こんな時でも笑顔のみあた。
でも、顔には、溢れ出す汗。


｢玉森ぃ〜。お前だけが暑いわけじゃないんだから。ガマンしろ、ガマン｣

がっちゃんの膝枕で、打合せの資料でパタパタ扇がれながら、二階堂が横目で俺を睨んでくる。


あー、今年は猛暑っていうけど、ホントにヤバい。

しかも、雑誌の撮影は季節を前取りして撮るので、着用の衣装は秋物の長袖。

シワにならないように、汗が染みないように...と気も遣う。


｢あー、冷たいものないかなぁ...
あっ、アイス!!
みあたぁ、アイス食べたい♪｣


昨日も熱帯夜だったけど、みあたがコンビニでアイスクリームを買ってきてくれて、それを食べたら快適に過ごせたのを思い出す。


｢たまっ、昨日食べt ｢俺もっ！千賀っ！！アイス食べたい！！｣

みあたの声をかき消す二階堂の大声が響く。



｢じゃあニカが買ってくればいいじゃん。
正面出た向かいにコンビニあったよ｣


意外と冷静ながっちゃんが、寝ている二階堂の体を起こした。


｢悪ぃな、二階堂〜。俺の分も買ってきて！｣

俺も便乗して、財布を出す。


｢はぁ？なんで俺が？
てか、おれ、タンクトップに、短パン、雪駄にグラサンで、セカンドバッグよ？
また、職質されるわ(笑｣

あまりの暑さに衣装から着替えた私服をネタに、行くことを拒む。


｢だって、ニカが食べたいって言ったんじゃん？俺、今、舞台前で絞ってるからアイス食べれないし...｣


｢まぁまぁ、堅いこと言わずに、ジャンケンだな。宮田も入れよ。

ジャンケンっ｣

✋✌✋✌。


強引な二階堂の掛け声に、咄嗟に手を出したら、みあたとがっちゃんが...負けた。


｢だからぁ、俺、食べないから！！｣

｢千ちゃん、見てこよ？｣


グダグダ言ってるがっちゃんに、みあたが肩を叩きながら、2人は楽屋を出ていった。



｢二階堂、お前、悪いヤツだなぁ｣

咄嗟のジャンケンは✋しか出さない2人。
多分、お互い気づいてない。


｢てか、アイツらアイスの種類聞かないで行ったんだけど、どんなの買ってくんだろ？｣

｢えっ、みあたは俺の好きなやつ知ってるけど...｣


｢えっ、マジか...｣

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