4#少しの意地悪 ページ8
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第一食堂に着いたとき、そこには私一人だった。
ここの清掃担当は他にもいたはずだが、まだ来ていないようだ。少し早く来すぎたか。
ざっと部屋を見渡す。細かな装飾が施された長テーブルに、幹部の数だけある椅子。
毎日使う部屋なだけに埃っぽいとかはないのだが、やはり食事をする部屋だ。念入りに掃除するべきだろう。
さて、どこから手をつけようか。
とりあえずは、と箒を持ち出してきて、隅のほうから掃いていく。
――ガチャ。ドアが開いた。
顔を覗かせたのは、担当の使用人――ではなく。
「あ、お疲れ様めうー」
『……オスマン様』
「ごめん、掃除中だったか」
『……いえ。どうかなさいましたか』
この国の外交官長であらせられる、オスマン様。ゆるりと微笑みを絶やさない、柔らかな印象の人だ。
彼は今日もにっこりと、食堂内へ足を踏み入れた。
「美味しいケーキを買ってきたから、誰かおったら一緒に食べようと思ってん。でも、タイミング悪かったみたいやなぁ」
私しかいない部屋で、彼は残念そうに口を尖らせた。
テーブルに置いたのは、さっきまで抱えていた白い包み。きっとこれがケーキなのだろう。
「君、悪いんやけどこれをお願い出来る？ 今日の夕食のデザートに出して欲しいめうー」
『……かしこまりました。本日の夕食後、こちらをご用意いたします』
「よろしくねぇ」
オスマン様はそう言って、ひらりと手を振り引き返す。
ドアを開けようとしたとき、そこで鉢合わせた人がいた。
「おっ、と……ちっす、オスマン」
「ゾムやん、どうしたん」
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夜風−yorukaze−(プロフ) - とても面白くて、サクサク読めます！これからも頑張ってください！ (2020年4月26日 17時) (
レス) id: 58cfefca5b (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。１話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2017年5月9日 0時
