【実.況者】泣かないシークレット・マリア【wrwrd!】

3#唯一の護衛 ページ6

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　さらに十数日が経った。
今日の私の午前の仕事は、シーツの洗濯だった。これが、意外にも重労働である。
当たり前だが、横目で見る仕事仲間に疲労の色はない。

　こういうとき、本当に彼女らには、"疲れた"という感情だったり、腕が重いという感覚だったりはないのか、と考えたりする。
どちらが幸せなのか、私には分からないけれど。

　少なくとも今は、私も人工知能になりたい、と馬鹿なことなら思い浮かぶ。
最後の一枚、とシーツを干し終えたとき、思わず両腕をダランとだらしなく下げてしまった。

　おっと。
いけないいけない。

　だるい両腕に鞭打って、空になったカゴを持ち上げた。
人工知能に休憩時間は必要ない。当然、食事も必要ない。水分も必要ない。

　……が、残念ながら私はそうはいかない。
休憩こそどうにかなるものの、食事と水分は摂らなければ。誰かの前でお腹でも鳴らしてみろ、機械が腹を空かせた、と大問題だ。

　だから私は、こういった一仕事が終わるタイミングで、軽い携帯食料をかじるようにしている。
こまめに食べていると、空腹は感じないものだ。

　洗濯で使った用具を所定の位置に戻し、影に隠れて食料をかじる。
これはエーミール様が私のために城下で探してくださったもので、ベリー風味やチョコ風味など、味も様々で気に入っている。
ちなみに今日はチョコ風味だ。どうでもいいが。
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