#幸せの方程式 の導き方。

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ab

ほとんど覚えていない。

苦しくて泣きながら大学を飛び出して、

気づいた時にはめめの腕の中だった。

ここに来た時にびしょ濡れだったらしく、

そのまま風邪をひいた俺はめめのベッドの中。

mm「うーん、、まだ少し熱あるね。お昼前には康二が来てくれるから、それまではひとりだけど辛くなったら連絡してね。」

俺の腕を取り、、、巻かれた包帯を優しく撫でる。

記憶にないけど、ここに来た日の夜に自分に刃を立てたよう。

しっかり消毒なんかをしてくれてて、

心做しかいつもより痛みを感じない。

mm「あ、そろそろ行かなきゃ。じゃあ、いってきます。」

俺に手を振り騒がしく家を出ためめ。

風邪のせいか、気持ちの問題か、

どっちか分からないけどしんどい。

ab「二度と目覚めなくてもいいのに、、」

そんなことを考えながら、

めめ自慢のクイーンサイズのベッドに沈んだ。

あれからどのくらい時間が経ったか分からないが、

優しい、美味しそうな香りに誘われて目を覚ます。

あぁ、二度と目覚めなくてよかったのに。

なんて、縁起のないことを思う。

お世辞にも綺麗とは言えないちらかった部屋。

それすらもめめらしくて、何故か安心する。

kj「あ、阿部ちゃんおはよぉ。雑炊出来たから起こそうと思ってたとこやった。」

ベッドを出ようとした途端タイミングよくやってきたのは康二で、

ひんやりとした康二の大きな手が俺のおでこに触れる。

kj「うーん、まだお熱あるな、、これ食べて元気出し！」

テーブルに置かれた小さなお鍋から、

白い湯気がふわふわとあがり優しい香りがする。

ab「あちっ、、ん、、おいし、、」

美味しい卵雑炊だったけど、違和感を感じた。

ab「なんか、食べたことある味する、、」

kj「この雑炊、舘さんが持ってきたんやで。阿部ちゃんが体調崩したこと連絡したら、みんな色んなの持ってきてくれてな〜。阿部ちゃんは愛され者やな！」

ab「俺が、、愛され者、、」

kj「せやから安心し、居場所は沢山あるんやで。逃げたくなった時、逃げれる場所が。」

その言葉を聞いた途端、涙が溢れ出た。

自分には居場所がある、逃げれる場所がある。

俺を待っててくれる家族がいる家もあるんだ。

ab「めめ、あのさ、、また来てもいいかな、、？」

mm「もちろん喜んで！阿部ちゃんが頼ってくれるの、俺も嬉しいから。じゃ、帰り気をつけてね！」

近くの駅まで見送ってくれた彼の笑顔は、

俺にとって第2の居場所を示す光だった。

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