すかいぶるぅ。 (ページ5)

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episode-予約の客。/1 ページ5

１日経って、予約していたユウジさんがご来店された。隣に連れたケンさんがこっちにウインクしてくれたので、彼もこっちに気付いたようだ。

「ご来店お待ちしておりました。私、相談員の栗原あかねと申します。本日は相談があっての来店とのことで」
「え、そんなの聞いてない…」
「あ、ごめん俺が頼んだんだわ。あかねちゃん、コーヒーとモンブランふたつずつで。ユウジ、お前モンブラン好きだったよな？」
「え、うん」
「かしこまりました、ケーキセットＢを２セットですね。席にご案内致します」

２人を連れてカウンターに行き、あおいにオーダーを伝え、仕事を始めた。

「さて、ユウジさんは悩みごと抱えてるみたいなんですが…」
「え、何で名前知って……まず悩みごとって」
「あれ、ケンさんから聞いてないです？」
「へ……？っっ、おいケン～！！」

ユウジさんは立ち上がり、ケンさんの胸ぐらを掴んでぶんぶん揺らす。

喧嘩か？何だ？と他のお客さんが騒ぎ出して来た。どうしよう……。

「お、落ち着いてユウジさん。ほら、モンブラン来たので！？」

ふたりをなだめ、モンブランとコーヒーを出す。

物でおさめるなんて動物みたいだけど、店では騒いじゃダメだからね。

「……大丈夫、姉さん？」

裏からひょっこり顔を出して来たのは、実弟のあおいだった。手を空色のタオルで拭きながら、心配そうな顔をしている。

私は彼に変な心配をさせないよう、明るく振る舞った。

亡くなった両親も、あおいが困らないように立ち回ってた。

あおいの方が、出来いいもんね。

「大丈夫だよ。慣れてるもん」

だから、私は笑うの。

私に時間を割かないように。

だから笑うの。今日も、大切な弟のために。

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なんかよく分かんないな……！？ちなみにあおい初登場です！