検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,429 hit

episode00-いつも通り。 ページ2

朝7時半。駅前に建つカフェ「すかいぶるぅ。」の前の広場を忙しなく行き来する人を横目に、ネコが呑気にあくびする。

一方、あくびすることすら許されない…否、あくびする時間すらない「すかいぶるぅ。」で働く姉弟は、通勤通学に急ぐ人達と同じくらいの速さで開店の準備を行なっていた。

料理を担当する弟、栗原あおいは開店後頼まれるであろうモーニングの下ごしらえを。尚、コーヒーは淹れたてが美味しいため今は作らない。

自分で淹れたコーヒーやソフトドリンクと共に客の相談に乗る相談役を担当する姉、栗原あかねは今の時間準備することは無いためテーブルを拭きに回って店内の様子を良くする。

そして、そんな2人を雇ったこの店のオーナーであるマスターは売り上げなどを計算している。ちなみに既に結婚済みであり、左手の薬指にはシルバーリングが輝いている。

店の外に貼り付けてある、妙にデザインの良い「すかいぶるぅ。で働きませんか?」という求人チラシが風に晒されパタパタと音を立てた。

そして、あかねが丁度最後のテーブルを拭き終えたとき___カチッ、という音と共に深い時計の音が店内に響き渡った。

カチャカチャと電卓を弄っていたマスターは眼鏡をかけ直し、年齢を感じさせない顔で笑う。


「時間だね、始めようか」


その言葉と同時にあおいがドアの鍵を開け、ドアにぶら下げた『くろーず。』の看板を『おーぷん。』に変えイスに立てかけた『ほんじつのおすすめですよ。』の位置を直し店の中に戻る。

待つこと数分、その数分の間にも客が何人か入りあかねも2人の恋人らしき客を相手にしていた。

あおいも頼まれるコーヒーやモーニングセットなどをせっせと作り、他の店員に持って行ってもらうことを繰り返していた。

あっという間に賑わう店内を見て、マスターは困ったようにまた笑う。


「これで、店員が増えてくれたら良いのだけどねぇ」

episode-私の仕事。/1→←店員名簿



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:モチーフ×モチーフ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

えのきだけ(プロフ) - ユメさん» じゃあ接客ですかね? (2017年7月28日 17時) (レス) id: acaa5058ee (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - ありがとうございます。客と触れあえるような係があればそれがいいです。 (2017年7月27日 9時) (レス) id: 1ee88b5e95 (このIDを非表示/違反報告)
えのきだけ(プロフ) - ユメさん» 大丈夫ですよー、ぜひ!何の係します?? (2017年7月22日 17時) (レス) id: acaa5058ee (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - あの、すいません。店員で、【海風音色】も入れますかね? (2017年7月22日 17時) (レス) id: 1ee88b5e95 (このIDを非表示/違反報告)
イルルの為にメイドラ二期を@暖ゴロ(プロフ) - えのきだけさん» ありがとうございます! (2017年7月15日 8時) (レス) id: bf06fa08bc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:えのきだけ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年7月9日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。