【花より男子】花沢類の幼馴染 10(男主) (ページ19)

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「わあ、びっくりした。探したんだぞ！んなとこにいないで、叩釚っとけば良かったのに」

司⁉
斎藤さんも驚きながらも慌てて中に通す。

司「ん、邪魔するわ。ひさびさだな。お前ん家くんの」

「たしかに。牧野は？」

司「帰った」

「牧野に気いつかわせちゃったか」

「気にするな」

俺の頰をするりと冷たい指先が撫でる。

司「まだ少し赤いな。ごめん」

「あ…いや。俺が飛び出していったから気にすんな」

司「お前を忘れてる類を責めても、しょうがねえってわかってるけど、すげー腹立つ。
あの女も嫌いだ」

「…海ちゃん？」

司「名前も覚える気ねーよ。
あーゆー女は嫌いだ」

ハハッと笑う。そういう風に思うやつが近くにいたなんて。
たしかに司には牧野がいるしな。

「牧野みたいな女は中々いないからな」

司「そーゆーことじゃねえ。……俺考えるんだよ」

「ん？」

司「もし、俺が刺されてたら。
俺が記憶なくなってたら、牧野を忘れてたかも知んねえだろ？
そんなこと考えて、類と俺を重ねてたのかもしんねぇ。そんで、類にすげーっ、腹が立った」

司が自分を責めてたなんて。
自分のことしか考えてなかった俺が、バカだった。

司「いつもお前を守ってる類がいねーからな。
牧野のお願いだし、特別この俺様が支えてやるよ。……泣き虫なお前のためにな」

「バカ野郎。守ってもらうほどヤワじゃねーよ」

ポカリと頭を殴ると、てめっ！と取っ組み合いになった。

さっきまでの憂鬱な気持ちが少し晴れた気がする。

それに…、司の手がびっくりするほど冷たかった。俺を待って何時間あそこに立っていたのだろう。
その優しさが、今の俺には暖かすぎて少し泣きそうになった。