【花より男子】花沢類の幼馴染 10(男主) (ページ12)

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海「あ、また会ったね！こんにちわっ」

類「……」

海「…あいさつくらいしよーよー。
また松葉杖つかってないしー。危ないじゃん」

類「うるさ…ッ」

姿勢が崩れる花沢類。

カラン

海「あぶなー。だからちゃんと…あッ。
もうっ、ぶあいそな人だなー。
そんなんじゃ、人生つまんないぞっ。
よっ。ん～～～」

落ちた松葉杖を拾おうとする中島海。
あと少しというところだが、届かない。
そこに差し出された手が松葉杖を拾う。

類「注文中だから…」

海「いつできるの？」

類「明日」

海「わあ！見せて。見たいっ」

類「別にそれと変わんないと思うけど」

海「だって病院の使わないんでしょ？
特別そうじゃん」

そんな中、花沢類の病室に向かっていたAA。

笑ってこんにちはって言おう。
無視されてもいい。何度も言おう。
まずは仲良くならないと。

……いたっ。
病室の前の壁に寄りかかる類。

「る…」

海「じゃあ明日。練習しよっか‼」

あれ？なんで海ちゃんが。

類「練習？いらないよ。そんなん」

海「あーーっ。なめてかかるとケガするよッ。
あたしがコーチしてあげるっ」

仲よさそうに寄り添う海ちゃんを見て、胸がズキンと痛んだ。

海「あ！Aさんっ」

「こ、こんにちは」

うまく笑えただろうか。

海「来てくれたんだ。わーい！
今ねー、この人に松葉杖すすめてたの」

今、一瞬すごく入りづらい雰囲気だった。
……嫌だ。

「まだ届いてないんだったっけ」

類「……」

俺は透明人間かよ。
海ちゃんには話すのに。

海「ねえ、これから3人で屋上に行かない？」

類「やだね」

めんどくさそうにベットの中に潜る類。

海「あ、あーあ。もう」

「……い、行こうぜ。病室に閉じこもってばっかりだと体にも良くない」

決めたんだ頑張るって。
笑って、類の肩に触れる。
しかし、するりとその手は離れる。

海「行こう！」

類「…離して」

海「こらーっ。Aさんの好意を無にしないでよねっ。ほら！行こ。ちょっとだけだって‼すぐ帰ればいいでしょう」

類「…はぁ。うるさいなあ。……すぐ帰るから」

海「わかったわかった」

俺が言うと『行く』そう言って、すぐ俺について来て来てくれた類。
幸せを知ってしまってるからこそ、辛いものがある。

ヒヤリとする手を握りしめ、遠ざかる２人の背中を急いで追った。