【花より男子】花沢類の幼馴染 8 (男主)

2人きり ページ25

「…は？」


「だからさ…」


片手でぬいつけられた両手。
ツーーと下へと落ちてゆく指先。


「俺に抱かれてみる？」


「…ッふざけんな！！」


ドコッ


急いで、そいつの腕の中から抜け出す。


「おい！おいッ！開けろって！！！
なんで、こんな奴と一緒に閉じ込めてんだよ⁉わけわかんねぇ‼」


「無駄だって」


「近づいてくんなよッ」


ガクガクと震える。
怖い。


「あんた……震えてんの？…はぁ、そんなに怯えられるとやりづらいんだけど」


「な、んだって…こんなこと」


「何にも聞いてないんだなあんた。
まぁ、確かに言うわけもないか。

う〜ん、つまり、花沢物産から『自分の息子が誑し込まれた』って騒がれても困るし、外で騒がれたらA家の信用ガタ落ちだろ？

中で誰にもバレずに俺みたいな奴とハメ外すなら問題ないってことよ。


花沢類だっけ？
そいつと恋愛するより、自分の手の内の中でやっててくれた方がまだ良いってこと。

そこで呼ばれたのが俺ってわけ。俺はお前の親父さんに借りがあるからな。」


「なんだ、よ…それ」


そんなに…俺が嫌いなのかよッ。


「いーじゃん。俺でも」


「男なら誰でもってわけじゃねぇッ。類だから！」


「同情じゃねーの？」


今まで緩い雰囲気を醸し出していた目の前の男が、真顔になって、その場の空気がガラッと変わった。

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