【花より男子】花沢類の幼馴染 8 (男主)

意地悪 ページ26

急に雰囲気が変わったこいつに、思わず聞き返す。


「同情…？」


「あんた愛情と同情とはき違えてるんだよ。この2つは凄くよく似てんの。知ってる？

『俺のことが凄く好きみたい』
『なんだかかわいそう』
『好きになってあげなきゃこの人ダメになっちゃう』」


「おい、知ったようなこと言ってんじゃねーぞっ。なんも知らないくせにッ」


「本当に好きなら障害があろうとなかろうと、とび込まずにはいらんなくなるんだよ」


「あ…頭がおかしくなりそうだ。あんたと話してると」


「そりゃ、図星だからだろ？」


「違うっ」


こいつ、すげえ意地悪だ。
一番人を傷つけるカードを使ってくる。
挑発に乗っちゃいけない。


何度も考えた。
俺らはこの先どうなっていくんだろう。
俺は進んでいるのか？立ち止まっているのか？
俺は幸せだ。類は？幸せなのか？


「好き…なんだ。同情なんかじゃッ」


扉の前で情けなくも涙がボロボロこぼれ落ちる。
涙もろくなった。泣いてばかりだ。
何度も何度も手でこすっても、涙は止まらない。


「うん。わかった。わかったから」


そいつがあまりにも優しく抱きしめるもんだから、胸の内から何かがこみ上がってくる。


「〜〜〜〜〜っ」


「バカ、我慢すんな。溜まったもん吐き出せ。よく頑張ってるよ」


「うるせえっ！何んだよ偉そうにッ」


「タコ。うるせえよ、夜中に」


これから1週間、俺はこの部屋でこいつと過ごすことになる。

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