慧眼と金塊 5

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呪霊が
”おかあさん” と叫んだ瞬間、
Aの頭の中に流れ込んだ知らない記憶





＿＿＿そう、優しいのね 義弘は＿＿＿＿




綺麗な黒髪をなびかせるその女性の瞳は

薄い、エメラルド




＿＿＿いい？義弘、私についてきてはいけません＿＿＿

＿＿＿きっと家の者が許さないから＿＿＿


＿＿＿だけど私はずっと貴方の事を思ってる＿＿＿



＿＿＿だから忘れないでね、義弘＿＿＿＿






「『一人じゃ、ないことを』」




ポツリと出たその言葉に
呪霊は赤い涙を流す


それが血だと分かるのに時間はかからなかった





昔、聞いたことがある
明治初期に呪霊を孕む特異体質の娘がいたと

呪霊と人間の混血 異形の子

娘は親類縁者のからの風当たりにより
家を出てある寺に向かった


その寺が呪術師が開いた者だったからだ
でも、その開いた呪術師が問題だった



ひぃじいちゃんが
私に少しだけ話してくれたものと似ている


”俺の姉はある特異体質と持っていたが受け入れられず
　家を追い出された

　俺は必死になって追いかけ、姉の行きついた寺へ行ったが
　もうそこはもぬけの殻で・・・



　姉とは生き別れたんだ”






今の今まで気にも留めなかった

きっとこの呪霊と会わなければ
このまま気づかないままであっただろう




【オオオ、カア!ｻﾝｯ】



こいつはひぃじいちゃんの姉、





蘆屋イヨの " 子供 ” だ

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