検索窓
今日:12 hit、昨日:51 hit、合計:109,959 hit

31: ページ33

あの後色々あって
男、谷垣も連れてアシリパのコタンへと来た


今は暖かい鹿肉の鍋や
鮭のルイベを食べ食べている


「アシリパのおかげで怪我が治ったよ」

「いや、完全に治ったわけではないから
無理はするなよ、A」



あの時、アシリパが直ぐに調合した薬を
塗っていなかったら怪我は化膿していただろう



最悪の場合、そこから細菌が入り
死ぬ可能性もある

助けられてしまった



「カムイチエプ
アン クスケライ

アオカイ
シヌクアン ぺ ネ」



鮭のルイベを食べていると
おばあちゃんがアイヌ語で話をし始めた


「おばあさん、なんだって?」

「フチの鮭にまつわる
ウパシクマだ」



(言い伝えか?)


アシリパが
おばあちゃんの言葉を翻訳していく





「同じことが
日高 釧路 白老 あちこちで起こった

砂金は村の代表者が
船を使い海を通って一箇所に集められた

それが何年か続いたので
鮭は獲れなくなり生活は苦しくなった

アイヌは話し合い砂金を採るのをやめた

争いの元となる砂金は
そのまま隠され話すことも禁じられた

やがてみんな年老いて
金塊のありかを知るものは
この村の年寄りひとりだけになった」




「その年寄りも
のっぺらぼうに殺された・・・」


と杉本が付け加える


が、重要なのはそこじゃない

今の話が本当で、
かつ私たちが探している金塊のことだとすると・・・




「・・もしその話が例の金塊のことなら
聞かされていた金塊20貫より、
もっと多くあるんじゃないのか、それ」


白石も気づいていたらしく
ごくりと唾をのむ


と、


「桁が違う」



弱々しい声が話を遮る




「そのばあさんの言うように
埋蔵金の話はあちこちのアイヌでの間で
ひそかに伝わっている


俺たちを率いている中尉は情報将校で
情報収集や分析能力に長けている




鶴居中尉の推測では・・・・

囚人が聞かされていた量の
千倍はある」


ゴチンッと白石が頭を打つ



「二万貫・・」


現代で言えば8千億円ほどの大金だ



過去に来たときは本当にどうしようかと思ったが・・




(面白くなってきた)


そう独りでに笑った

32:→←30:



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

山猫(プロフ) - とても好きです面白いし最高です。 (2021年7月26日 17時) (レス) id: 182d2e66db (このIDを非表示/違反報告)
ミンミンゼミ(プロフ) - お粥??さん» コメントありがとうございます。うまく文章が書けてるか心配ですがそう言っていただけて嬉しいです! (2020年12月17日 8時) (レス) id: 0fbf39fe02 (このIDを非表示/違反報告)
お粥??(プロフ) - とても面白いです!これからも無理をしない程度に頑張ってください (2020年12月16日 22時) (レス) id: 8cc28a00da (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2020年12月16日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。