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陸 だから ページ7

蜜璃side


「『お世話になりました』」


Aちゃんと一礼して屋敷を出る。

お辞儀が深くて礼儀正しいわ…素敵ッ !!


話からするに、この鬼は人をさらってその後に食べる鬼だと思われる。

きっと大半は子供でしょうけれど…


あの子のお兄さん、いるといいな。


「少年ー!お姉さんが迎えに来たよー」

「おねーさん、きてくれてよかった」

「当たり前だよ(ニコ」


Aちゃんの笑顔は素敵。

でも、何処か悲しさが漂っている気がするの。

やっぱりお兄さんのこと…


「…ん、蜜璃さん!大丈夫ですか?」

いつの間にか目の前には彼女の整った可愛らしいお顔。


『はわわわ、どうしたのAちゃん!』

「えっと、そろそろ行きましょうかと」

『そうね、ごめんなさい』


まだあどけなさの残る彼女の横顔を見つめながら、

そのかわいい子の案内で、村への道を歩く。





『え…』

思わず声に出てしまった。

そこは、灯り1つついていない集落。

人の気配が全くしない。

まさか、鬼がもう…


「… 蜜璃さん、少年を頼みます」


えっ、と振り返ったその時にはもう

彼女の姿は森の中へと消えていっていた。


追いかけるにも、この子がいるし、ここは危ない。

移動してから少しだけ待って、後で追いかけよう。


「あの…」

『どうしたの?怪我でもしちゃった?』


その子の目線に合わせて屈む。


「おねーさん、かえってくるよね?」

『……大丈夫。帰ってくるわよ、絶対に』


Aちゃんはもう大人と変わりない。

「妹だから」って何時までも甘えていたりはしない。

むしろ、「妹だから」やらないと、と思っているのね。


小さい子にも頼りにされている強くて優しい彼女は


どこかで涙を流しているかもしれない。


それなら私は…


.



.



.



行かないと。

この子は私が守る。

どこかでこの村の人も生きているはず。

鬼の頸を斬るだけじゃない。

人を救えなくて何が鬼殺隊なの。


私達にしかできないことがある。



だから、私とAが来たの。

ふたつめの零. 作者から→←伍 夕餉



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(プロフ) - 更新頑張ってください^ - ^ (2020年10月11日 21時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
音涙(プロフ) - 梅雨さん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます!頑張りますね! (2020年4月5日 7時) (レス) id: 8511fd69ef (このIDを非表示/違反報告)
梅雨(プロフ) - 続きが気になります!!!これからも無理せず頑張ってください!! (2020年4月4日 20時) (レス) id: fba24efeb3 (このIDを非表示/違反報告)
音涙(プロフ) - 奏琴さん» ありがとうございます!更新頑張ります…!よければこれからも読んでくれると嬉しいです! (2020年4月2日 18時) (レス) id: 8511fd69ef (このIDを非表示/違反報告)
奏琴(プロフ) - とても面白いです!!これからも更新頑張ってください! (2020年4月2日 14時) (レス) id: 11805289e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音涙 | 作成日時:2020年3月29日 8時

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