【斉ψ】超能力者が一人と限るなよ【斉木楠雄のψ難】 (ページ3)

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「……あの、本当にいいんですか……？」

まさか母さんがここまですんなりと通すとは思ってなかったみたいだ……。

そろそろどうにかしたほうがいい気がするけどな……。

【って、まだ僕は何も言っていないんだが？】

「お友達なんだし……かわいそうじゃない」

母さんはそう言うけれど、まず友達ですらない。さっき会ったばかりだと言ったはずなんだが。

それにこいつなら一人でも生きていけるだろ。危険とか言いながらこの辺りでは何も危険な事は起きていない。
……はずだ。

「斉木楠雄君よりも私の力の方が強いみたいなので……君の心が私は読めてしまうんですよ」

哀れむように微笑むそいつは、どう見ても悪役のようだった。

【……悪質だな】

「心を読まれちゃうのは困ってしまうからね……で、家賃としてコーヒーゼリーを奢りますけど？」

僕だって流石にそこまで簡単には釣られない。

それにこちらにも身の危険があるわけだ。メリットなんてコーヒーゼリーを除けばほぼ無いに等しい。

「そんなこと言わずに今日だけでも泊めてあげましょ？」

母さんはそう言う……一日様子見、といったところか。

【……仕方ない、せめてもの妥協案だからな】

「本当にありがとう」

屈託のない笑顔はきっと、貼り付けられたものなんだろう。