プロローグ ページ1
それは僕が学校から帰宅した時だった。
……僕の家の屋根の上に、人がいるんだが?
「屋根の上から失礼するよ、初めまして斉木楠雄君」
【……は?】
なぜこいつは僕の名前を知っているんだ?
しかも透視されないし、心も読めない……なんなんだ、こいつ。
「はは、突然話しかけられてびっくりしちゃったかい?屋根から降りて挨拶させていただこう。」
と、屋根からふわりと降りてきた。
……ふわりと、ってこいつ…普通じゃないな。
「私はA。君は斉木楠雄君で合っているだろう?」
名乗るのは嫌な予感がするが、名前はもう知られている。
【合っている。何の用だ】
「認めてくれたようで何より。それでだけど、家に入れてくれないかい?」
……は?家に入れろ、ってどういう意味だ。思考が読めない。意図がわからない。
「心配しなくてもただやることがあるだけさ。ほら、ここに有名スイーツ店のスイーツセレクションがある。
何が好きか分からなかったから色々入っているのを買ったんだ」
有名スイーツ店のコーヒーゼリー………!?
【…仕方ないから入れてやる。何かしたら…分かるな?】
「脅さないでくれよ、そんなことしないさ」
そんなことを言いながら、彼女は僕にコーヒーゼリーが入った紙袋を手渡した。
…確かに入っている。
【…仕方ない】
何かしでかしたらすぐに追い出す。それだけだ。
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