奇妙なAU達の短編集

＊一度捨てられた吸殻に火は灯らない Honey ページ19

何事にも終わりはくるものだ

それがいいものか悪いものかなんて関係も無しに
だがこの世界は永遠に終わらない、幾度もRESETを繰り返され、もう数え切れないくらい殺され、今か何時だか分からなくなるくらいにはRESETされ続けた。今日もまた綺麗な日が差し込む廊下でニンゲンと戦っている

｢なぁ…オレらの命ってなんだろな？｣

一息つき、自身の体力の無さを嘆く。まぁこんな時に嘆いたって何も変わりやしないが

｢お前に殺されて、気まぐれで生かされて、その次にまた殺されて…オレらって生きてる意味あんのかなぁ｣

幾分か呼吸が楽になり、タバコをポケットから取り出して火をつける。もうこの先なんてものが見れないのは分かっている。ふ、とタバコに目を向けて何とも言えない気持ちになる。オレらはタバコみたいなもんだ。お前に火をつけられ、じわじわと身を削られ、やがて最後には全て燃えきって跡形もなく煙になり消えていく
あぁ、お前に飽きられた時がオレらの本当の最期なんだろうな

｢…お前には分からないだろうなぁ、こんな気持ち｣

ポタポタと溶け落ちる自身の体が、もうこれ以上は動けないと語ってくる。皆が殺されたって、それがどれ程憎かったって、言葉じゃ表せない絶望に落とされたって、オレの体は限界を越えられない
あぁクソ！どうしてオレは怠けちまったんだ！こんな事になるなんて分かっていたら怠けやしなかったのに！

｢見れない景色がある気持ちなんて…分からないだろうなぁ｣

どれだけ怒りに身を焦がしても、オレの怠けきった体は寝てしまおうと誘ってくる。これに抗えたらどれだけ良かったか

｢ただ、見たかっただけなんだ｣

その言葉を機にゆっくりと目を瞑る。あぁ、他のオレはまた痛い思いをしなきゃならないのか
ニンゲンがナイフを持って駆け寄ってくるのが何となく分かる、だがオレは避けきれはしないし、どうせ殺されるともう諦めてしまっている


オレだって見たいんだ


見たかったんだ


お前みたいに興味があるんだ


お前と共に歩める、まだ見ぬ幸せな未来に、興味が









＊YOU WIN! :)

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