*悩み事(fresh) ページ10
「Hey!A!」
手を大きく振りながらこちらに駆け寄ってくる彼はいつも明るい。悩み事が1つもないんじゃないかってくらい。だから少し、いや、かなり羨ましくなる。少しでも良いから彼の元気を分けてほしいものだ。
「こんにちはサンズ、今日も元気ね」
「俺ちゃんはいつもhealthyだぜ!逆にAはいつもsadlyだな?」
「色々と悩み事があってね…サンズは悩み事とかある?」
彼はうーんと言い、考えるようなポーズをとる。この様子を見るに無さそうだなぁ、と思っていると彼が口を開いた。
「あるYO!」
彼からの意外な言葉に思わず目を見開く。
「え?あるの?」
「Of course!そんなことをlistenってことは知りたいか?」
私が食いぎみにうんと言うと、彼は眉を下げて困ったように笑う。聞いてはいけない事だと察し、無理に言わなくてもいいと言おうとしたが、彼が言葉を発する方がはやかった。
「俺、死ぬって事以外の感情がよく分からないんだ」
声のトーンがいつもより低い。これはいつものふざけたジョークなんかじゃない。
「だからどう他人と接したらいいか分からないんだ。俺が思ったことを言ったら何でそんな事言うのって怒られたり酷いって泣かれたり…Aにも酷いこと言ってるだろ?俺、自分じゃよく分かんないけど…」
そこまで言うと彼は私の顔を見てきた。すると慌てていつもの調子に戻る。
「hahhah!悪かったな!今のは俺ちゃんのくだらないjokeだっ」
いつものように喋っているはずの彼が、あまりにも辛そうに見えたので思わず抱きしめる。急に抱きしめられた彼はぴたりと動きを止める。きっとこういう時にどんな感情で、どんな言葉を言えばいいのか分からないのだろう。
「…なぁA」
彼は恐る恐る私の背中に手を回す。
「今Aはどんな感情なんだ?」
きっとこれは彼の素直な感想だ。感情が分からない彼はこうやって他の人に今の感情を聞いて勉強しているのだろう。
「どんな感情だと思う?」
素直に教えてくれると彼は思っていたのだろう。へっ?という、彼らしからぬ、なんとも間抜けな声が聞こえてくる。
「ふふっ、これはサンズへの宿題かな」
彼の目の前で私が笑うと彼もつられて笑う。きっと今は笑う場面だと、彼なりに思ったのだろう。
「それはとっても難しいproblemだな!h、hahhahhah……なぁ、A」
困ったような、悲しいような、複雑な笑みを浮かべた彼はこう言った。
「感情が分からない俺が友達でも大丈夫か?」
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fenon(プロフ) - 自分がfell推しだから分かったかもしれないんだけど、首にある何かって……首輪j((殴 (2020年6月15日 0時) (レス) id: 8dce9856e7 (このIDを非表示/違反報告)
enmkssptoad114(プロフ) - 御薬袋さん» コメントありがとうございます!恐る恐る確認してみたら普通に番号ミスしてました…教えてくださりありがとうございました! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 125e861b1b (このIDを非表示/違反報告)
御薬袋 - 楽しく見させて貰っています! あの、日常?6と7?が見当たらないのですが、 (2018年2月20日 7時) (レス) id: 1fea4285a1 (このIDを非表示/違反報告)
enmkssptoad114(プロフ) - Bonetrousleさん» いえいえ!こちらこそ三回もリクエストしてくださってありがとうございます!ネタに困りかけていたので助かりました!遅くなりましたが更新させてもらいました! (2018年2月7日 22時) (レス) id: 125e861b1b (このIDを非表示/違反報告)
enmkssptoad114(プロフ) - 調理済みのいかやきサァンさん» いえいえ!こちらこそリクエストありがとうございました!ありがとうございました!ありがとうございました!あ((ry (2018年2月7日 16時) (レス) id: 125e861b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YO!LO! | 作成日時:2018年1月7日 2時