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高専へと続く人通りの少ない道、恵くんが術式を使って玉犬2匹を出してくれた。
『かわいい!ふわふわー!』
白と黒の2匹は人懐っこく、私と恵くんに擦り寄ってきてくれる。恵くんまだ小さいのにもうこんなことできるんだ。悟くんの稽古受けてるんだもんなぁ。
恵くんと玉犬とゆっくり歩いて高専の寮に着くと、悟くんが外で待っていてくれた。
『悟くん!』
「おかえりー。そろそろ着く頃だと思って待ってた。てか玉犬めっちゃ懐いてんじゃん」
悟くんは私に擦り寄る玉犬を見て笑う。そして恵くんの頭をくしゃっと撫でた。
「楽しかったか?」
「楽しかったです」
「よかったな。んじゃあAは返してもらうねー」
「はい。今日はありがとうございました」
私に向かってぺこりと頭を下げる恵くんの前に屈んで、目線を合わせる。
『こちらこそありがとね、すっごく楽しかった!』
そう言って笑えば、恵くんのまっすぐな瞳に見つめられる。『ん?』と首を傾げると、恵くんの顔が近付き、かわいらしいリップ音と共に頬にキスをされた。
それを見た悟くんは「はぁ!?」と叫んで恵くんを引き剥がす。
「何してんの!?」
「デートの最後にはキスしろって、五条さんが」
『悟くん……』
「だからそれはAにしろって意味じゃねー!」
悟くんが変なこと吹き込むから…と少し呆れた顔で悟くんを見ると大きなため息をついてしゃがみこんでいる。
「あのさぁ恵、……Aは僕の彼女なんだよね」
『かっ…』
彼女というパワーワードに未だに動揺してしまう私ってほんとにポンコツだと思う。
「知ってます」
「うん、知ってるよね」
「もうしません」
「絶対?約束だからな?」
恵くんと指切りをする悟くんを見て、好きだなぁと思う。そして同時に、愛されてるなと思ってしまった。
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りんごあめ(プロフ) - むーこさん» むーこ様ありがとうございます!作者の願望と妄想を詰め込んであるのでキュンキュンしていただけて嬉しいです🥺💓 (2月5日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 最高すぎます。。。クッション持って悶えちゃいました。。。キュンキュンが止まらなかったです!(≧∀≦) (2月5日 16時) (レス) @page47 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - 最高最高最高~~~~~!宣伝させてください笑私の夢小説も見て欲しいですーーー!心黒模様っていう伏黒恵の小説書いてるので、良かったら……(殴) (12月4日 16時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ありがとうございます!!私も自分で書いていてニヤけが止まりませんでした🤣笑笑 (12月4日 12時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - うん…………ニヤけが止まりません笑笑笑笑 (12月4日 7時) (レス) @page4 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2023年12月3日 14時