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目が覚めると、膝の上で寝ていた恵くんがいないことに気付く。
『……恵くん!?』
一瞬で覚醒した頭。すると隣から悟くんの笑い声が聞こえた。
「恵ならもう帰ったよー」
『あ、あれっ?悟くん?夢じゃなかったの?』
「夢?現実だけど」
夢じゃないならもしかしてさっきキスされた…?と考えていると悟くんが私の顔を覗き込んできた。
「なーんで恵に膝枕してんの?」
『え?眠そうだったから』
「言っとくけど恵も男だからね」
『……まだ小学生だよ』
悟くんは「小学生でも男でしょ」と笑って私の頬を撫でる。そしてそのまま触れるだけのキスをされた。
いつもキスしてくれるときはサングラスを外してくれるけど、今はつけたまま。だから無性にあの青が恋しくなった。真っ黒のサングラスを私の手で取ってしまえば、薄く開かれるその瞳。
「外すの忘れてた。当たってない?」
『大丈夫だよ』
些細なことも心配してくれる悟くん。そういう優しいところも好き。
その青に私だけを写してほしくて、自分からキスをする。悟くんがこのあと任務ですぐに行かなきゃいけないの知ってるから。少しでも触れていたい。
「A」
『……ん、今から任務だよね』
「じゃなくて」
悟くんから離れようとすると、ぐっと腰を引き寄せられた。驚いて見上げると優しく笑う彼と目が合う。
「好きだよ」
『!』
悟くんは好きとかそういうのをあまり言葉にしてくれるタイプじゃない。でも行動で示してくれて、好きって気持ちはじゅうぶん伝わってる。
なのに、そんな優しい顔で好き、だなんて。
『待って、不意打ち……かっこいい…』
「最近なかなか2人で会えないからAが淋しがってるんじゃないかと思ってたんだよねー」
『すっっごく淋しかったけど今ので元気出た!』
そう言って目の前の悟くんを見上げると、私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。
『悟くんからの好きの破壊力やば…』
「ははっそんなに?」
私を腕に閉じ込めて無邪気に笑う悟くん。
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りんごあめ(プロフ) - むーこさん» むーこ様ありがとうございます!作者の願望と妄想を詰め込んであるのでキュンキュンしていただけて嬉しいです🥺💓 (2月5日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 最高すぎます。。。クッション持って悶えちゃいました。。。キュンキュンが止まらなかったです!(≧∀≦) (2月5日 16時) (レス) @page47 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - 最高最高最高~~~~~!宣伝させてください笑私の夢小説も見て欲しいですーーー!心黒模様っていう伏黒恵の小説書いてるので、良かったら……(殴) (12月4日 16時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ありがとうございます!!私も自分で書いていてニヤけが止まりませんでした🤣笑笑 (12月4日 12時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - うん…………ニヤけが止まりません笑笑笑笑 (12月4日 7時) (レス) @page4 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2023年12月3日 14時