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それから悟くんは任務や授業の合間に、恵くんに稽古をつけるようになった。
ただでさえ忙しい悟くんだから、最近は2人で会う時間もますます減ってしまった。正直、すっっごく淋しい。
自販機へ向かうと、恵くんが1人でベンチに座ってコーラを飲んでいた。私を見ると「どうも」と言ってぺこっと頭を下げる。礼儀正しい子だなぁ。
『隣、座っていい?』
いちごオレを買って恵くんに話しかけてみれば、小さく頷いてくれたので隣に座った。
『悟くんの稽古、どう?』
「まぁ…普通です」
『あははっ最強なのに普通って言われちゃうの』
そんな私を恵くんがちらりと見た。
「……五条さん、と、付き合ってるんですか」
『えっ?うん、そうだよ』
「どこが好きなんですか?あの人、デリカシーなさすぎですけど」
『……キミほんとに小学生?』
真面目な顔して聞けば「はい」と言われた。
『うーーん。全部だよ、全部好き!』
「……そうですか」
『恵くんは、悟くんのこと好き?』
「……強くて、すごいと思います」
素直に答えてくれた恵くんの頭を優しく撫でてあげる。すると、疲れているのかウトウトし始める恵くん。
『寝ていいよ、起きるまでここにいるから』
そう言うと、私の膝にこてんと頭を乗せてすぐに眠ってしまった恵くん。かわいい。恵くんの寝顔を見ていたら私まで眠くなってきた。ちょっとだけ寝よう…。
まどろみの中、悟くんの声が聞こえた気がした。
「恵が遅いから見に来てみれば……何この状況?」
小さな笑い声が聞こえて、恵くんとは反対の私の隣に誰かが座る。ふわりと香るこの匂い、悟くんだ…。でもまだ眠くて目が開けられない。
「Aの膝枕とか、俺もまだしてもらったことないんだけど」
頭に優しく手を添えられて、隣の肩に乗せられた。心地よくて、ますます眠気に抗えなくなる。
『さとるくん……』
無意識にその名前を呼んで、眠りに落ちる直前、唇に何かが触れたような気がした。
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りんごあめ(プロフ) - むーこさん» むーこ様ありがとうございます!作者の願望と妄想を詰め込んであるのでキュンキュンしていただけて嬉しいです🥺💓 (2月5日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 最高すぎます。。。クッション持って悶えちゃいました。。。キュンキュンが止まらなかったです!(≧∀≦) (2月5日 16時) (レス) @page47 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - 最高最高最高~~~~~!宣伝させてください笑私の夢小説も見て欲しいですーーー!心黒模様っていう伏黒恵の小説書いてるので、良かったら……(殴) (12月4日 16時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ありがとうございます!!私も自分で書いていてニヤけが止まりませんでした🤣笑笑 (12月4日 12時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - うん…………ニヤけが止まりません笑笑笑笑 (12月4日 7時) (レス) @page4 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2023年12月3日 14時