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悟くんの携帯の着信音が教室に鳴り響く。
『っ……悟くん、鳴ってる!』
「あとでいい」
『でっでも急ぎの用かも!』
「………はぁ」
鳴り止まない着信音にイラッとした表情を隠すことなく、悟くんはポケットから携帯を取り出して通話ボタンを押す。
「…なんだよ、傑」
「やぁ。Aの記憶は戻ったかい?」
「ぜってーわざとだろ」
「感謝はされても邪険にされる覚えはないね」
「…悪かった。さんきゅ」
「素直だね。さて、この呪詛師どうしようか」
「俺が殺す」
「はは、物騒なこと言わないでくれ」
電話の相手は傑くんのようだった。
静かにその顔を見つめていれば、それに気付いた悟くんが私の頬に優しく触れた。心地よくてその手に擦り寄ると、悟くんが一瞬言葉に詰まったような気がした。
しばらく話して電話を切る悟くん。
「傑に感謝しねーとな」
そう言いながら悟くんは私を近くの机に座らせて、太ももの内側をゆっくりと撫でていく。
目の前の綺麗な青に見とれて一瞬流されそうになったけど、ハッとしてその手を制止した。あと少しでスカートの中に入りそうな手をぐぐぐ、と力を入れて押し返す。悟くんに力比べで勝てるわけないのはわかってるけど!!
『なっ何しようとしてるの!?』
「だめ?」
『……そんな顔してもだめ』
「ふーん」
『待って待って、続けないで!?』
楽しそうに笑う悟くんを止めるのは無理な気がする。ほんとは私だって、とは思うけどでもここじゃだめ!!絶対!!
「おいクズ、教室で盛るな」
声のした方を見ると、廊下に硝子がいた。悟くんは「ちっ」と舌打ちをして私から離れる。
「A、記憶戻ってよかったねって言いたいとこだけどそんなクズのこと忘れてたほうがいいんじゃない?」
硝子の言葉に小さく苦笑する。悟くんはやっぱり不機嫌そうな顔してるけど。
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りんごあめ(プロフ) - むーこさん» むーこ様ありがとうございます!作者の願望と妄想を詰め込んであるのでキュンキュンしていただけて嬉しいです🥺💓 (2月5日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 最高すぎます。。。クッション持って悶えちゃいました。。。キュンキュンが止まらなかったです!(≧∀≦) (2月5日 16時) (レス) @page47 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - 最高最高最高~~~~~!宣伝させてください笑私の夢小説も見て欲しいですーーー!心黒模様っていう伏黒恵の小説書いてるので、良かったら……(殴) (12月4日 16時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ありがとうございます!!私も自分で書いていてニヤけが止まりませんでした🤣笑笑 (12月4日 12時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - うん…………ニヤけが止まりません笑笑笑笑 (12月4日 7時) (レス) @page4 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2023年12月3日 14時