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どれだけ記憶を辿ってみても、五条くんのことを思い出せない。
申し訳なくて『ごめんね』と謝れば、「大丈夫だって」と笑ってくれた。だけどその笑顔に隠されたほんの少しの淋しさに気付いてしまって、早く思い出したいと願う。
『あっ五条くん!』
授業の合間に自販機に来てみれば遠目からでもよくわかる五条くんを見つけた。ふわふわの白い髪、長い足、サングラスで隠されていても絶対イケメンだと思わせるこのビジュアルは本当にすごい。
「おー。Aじゃん」
その無邪気な笑顔を向けられると嬉しくなる。
五条くんはコーラを飲んでいて、私はいちごオレのボタンを押した。すると隣から小さく笑う声が聞こえて、五条くんを見る。
「それ好きだよな」
『五条くんはいつもコーラなの?』
「あー、そうかも」
五条くんがいつもそれを飲んでいること、記憶を失くす前の私なら知ってたのかな。今は何も知らない。だから知りたいと思ってしまう。
『五条くん』とその名前を呼べば、私を見てくれた。
『五条くんのこと、もっと知りたい』
勝手に自分のことだけ忘れたくせに知りたい、だなんて都合が良すぎるよね。
でも少しだけど一緒に過ごしてみて、五条くんが優しい人なんだっていうことがよくわかった。私のこと想ってくれてるんだなって。だからもっと知りたくなったの。
「…いいよ。何が知りたい?」
五条くんはそう言って飲み終えたコーラの缶をゴミ箱に投げ捨てた。
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りんごあめ(プロフ) - むーこさん» むーこ様ありがとうございます!作者の願望と妄想を詰め込んであるのでキュンキュンしていただけて嬉しいです🥺💓 (2月5日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 最高すぎます。。。クッション持って悶えちゃいました。。。キュンキュンが止まらなかったです!(≧∀≦) (2月5日 16時) (レス) @page47 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - 最高最高最高~~~~~!宣伝させてください笑私の夢小説も見て欲しいですーーー!心黒模様っていう伏黒恵の小説書いてるので、良かったら……(殴) (12月4日 16時) (レス) id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ありがとうございます!!私も自分で書いていてニヤけが止まりませんでした🤣笑笑 (12月4日 12時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - うん…………ニヤけが止まりません笑笑笑笑 (12月4日 7時) (レス) @page4 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2023年12月3日 14時