198 ページ9
こ、こいつらうるせぇ………。
9月上旬。夏場のイベントラッシュをなんとか乗り越え、色々な現場が始まったり終わったり。
10月から始まるアニメの収録が最近の主な仕事…ではあるが、メインの本数はない。秋笛だけなのでそれの取材と、一昨日発売したCDのイベントと…。うん、CD関連のお仕事がかなり割合として多い。
「祐さん醤油ください!」
「相田ちゃんその刺身美味しい?頂戴!」
「あ!僕も食べる〜!」
左隣の相田ひより、その正面に内田雄馬と私の正面に畠中祐だ。珍しく肉では無いのだが、私だけ置いていかれて早30分。一人できゅうりの浅漬けをツマミながら三人のやり取りをただ見守っている。
セッティングしたの、私なんだけどなぁ。
「え!美味!?」
「…ほんとだぁ!溶けるぅ!」
「ですよね!?」
…………元気って、いいなぁ。
お姉さんにその元気分けて欲しいわよ。
「分けられるなら分けてますよ!」
「うんうん…。………ヤベ、声出てた。」
「節菜さんCD発売おめでとうの会なんですからね!」
いっぱい食べてください!とは言うものの、ここ選んだの私だし、自腹だし(まぁそれはいいのだが)、絶対にお前が言う言葉じゃないぞ。と思いながら、渋々マグロの刺身をつまんだ。
164人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「声優」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:東城つばさ | 作成日時:2021年7月24日 0時